【闘病記10】手術への展開 – 希望と、恐れと、賭け

【闘病記10】覚悟 - 手術への展開 - 希望と、恐れと、賭け

このブログでは、すい臓がん完治するまでの、知識と経験を共有していきます

こんにちは、チコです。

前回の記事では

  1. 8月の検査結果で、今後、病状ががどう転ぶか分からなった
  2. 9月の治療は、アナフィラキシーを起こし、抗がん剤の1つがつかえなくなった
  3. 次の治療(ゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法)へ進む覚悟をきめた

というところまでお話ししました。

今回は、その後思わぬ展開へと向かった手術の話しについて、お伝えします。

もくじ

不安のなか迎えた10月のCTとMRI

手術

8月からの先の見えない不安な日々

8月、9月の出来事から

  • 現在の治療(フォルフィリノックス療法)に対して不安な気持ちと
  • 次の抗がん剤治療(ゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法)へ進む覚悟

この2つを抱えたまま、日々を過ごしていました。

10月の定期検査(CTとMRI)の結果

そして、ようやく迎えた10月。

次の定期検査のスケジュールが入り

CTとMRIを撮ることに。

雨と焦り

しかし、この10月の検査結果も、腫瘍の大きさや形など、8月と大きく変わることはなく、綱引き状態。

・・・

このまま同じ抗がん剤(フォルフィリノックス)で粘るのか

あるいは、新しい抗がん剤(ゲムシタビン・ナブパクリタキセル)に進むのか・・・

不可能だった手術の話が持ち上がる

チコ

・・・先生、どうします?

専門病院 K 先生

うーん、そうだね・・

外科の先生に会ってみませんか?

主治医K先生の口から、なんと外科を紹介する

という言葉が出てきたのです。

雨上がりと希望の光

え、たしか、手術は不可能って話じゃ・・

チコ

どういうことですか?

専門病院 K 先生

画像検査の結果、腫瘍が重要な血管から外れてきています

手術が適応かどうかは、まだ、分からない。
外科の先生がどう判断するか・・

でも、手術の可能性が見えてきたんだ。
一度相談してみませんか?

・・・

こうして、手術の話が持ち上がり

思わぬ展開に進むことになったのでした。

手術と抗がん剤どちらを選ぶか

どちらを選ぶか

ねえ、最初から「手術は無理だから抗がん剤で行く」て話だったよね

なんで今頃になって手術の話が持ち上がってきたの?

「主治医から外科を紹介されることになったよ」と姉に話したときの、彼女の最初の反応。

このときの姉はまだ手術に懐疑的でした。

確かに、いくら腫瘍が縮小してきたとはいえ、もともと主治医は手術に反対だった。

私の場合、初診で、がんが重要な血管に浸潤し転移を疑われたことから

難しい患者を多く抱える腫瘍内科医としての経験から、手術に反対していたのです。

抗がん剤と手術のメリット・デメリット

「がんの王様」と例えられるほど難治性の高いすい臓がんは

抗がん剤、手術、どちらにしても大きなリスクがあります。

膵がんの治療のながれ
出典:国立がん研究センター中央病院

私の経験から、以下のようなメリット・デメリットがありました。

抗がん剤のメリット・デメリット

抗がん剤
メリット ※1・全身への効果が期待できる
・手術と比較し体の負担が少ない
デメリット ※1・抗がん剤のみの根治は難しい
・副作用が多い
・有効な薬が少ない
※1 個人差があります
参考記事

手術のメリット・デメリット

手術
メリット ※1・根治を目指せる唯一の治療
・治療後は経過観察のみでOK ※2
デメリット ※1・体への負担がかなり大きい
・合併症や後遺症の可能性がある
・再発や転移が多い (局所治療のため)
  • ※1 個人差があります
  • ※2:術後 補助化学療法含む 
参考記事

すい臓がん患者が「手術」を選ぶ唯一の理由

理由と覚悟のイメージ

膵がん患者が、さまざまな困難を覚悟しても「手術」に挑戦したいと思う、たった一つの理由は

「手術が、根治を目指す唯一の治療法」といわれているからではないでしょうか。

手術療法は、根治(病気を完全に治すこと)を目指す唯一の治療方法であり、病気を治す第一歩と言っても過言ではありません

引用:がんに関する情報 2021年4月19日更新|がん研有明病院

とはいえ、膵がんは、再発や転移が多いことでも知られています。

手術は身体への負担が大きく、人によっては、術後さまざまな厳しい困難を乗り越えなければならないでしょう。

それでも、「手術は成功した」と言われれば、患者は大いに期待します。

そんな、たくさんの我慢と期待の中で

もしも、再発や転移となれば、その後の落胆がどれほど大きいか、計り知れません。

だから、わたしは

膵がん患者にとって、治療を選ぶということは、ある意味「賭け」なのではないかと思います。

わたしの治療経過と今後の展開

さまざまな経験のイメージの道

私の場合は、当初、一生抗がん剤というような診断でした。

ところが、ありがたいことに、何とか上手く薬が効きました。

結果として、手術不可の理由の一つ「がんが血管を巻き込む状態」は解消したようにみえました。

と同時に、薬への耐性から?、がんの縮小が止まってきていた時期でした。

次の展開として考えられたことは

  1. まだ使っていない抗がん剤を試す
  2. 手術を検討する

1の場合、新しい薬が効かず、病状が悪化する場合もあります。

しかし、上手くいけば、さらに腫瘍が小さくなる可能性があります。

2の場合、身体への大きな負担、合併症、後遺症などの可能性もあります。

でも、上手くいけば、根治し元通りの生活に戻れる可能性があります。

転機への恐れと、賭け

恐れと賭けのイメージ道

さて、どちらを選択するべきか・・・

・・・・・・・

もっとも恐れていたこと

恐れ

もちろん根治でき、身体からがんがなくなれば一番いいでしょう。

しかし、わたしには、「根治」という素晴らしい期待に勝る「恐れ」がありました。

その、「恐れ」とは再発や転移です。

せっかく手術をし、術後の困難を乗り越えたのに、もしその先に再発や転移が待っていたら?

と恐れていたのです。

人間は、期待や労力が大きければ大きいほど、上手くいかなかったときの落胆も大きいのです。

結局だれにも分からない

whole new

膵がん患者にとって、病気を良い方向へと導いてくれる切り札は、本当に限られています。

そんな少ない切り札であっても

どれを選ぶかによって、未来は変わってきます。

でもね、どれを選ぶのが本当にベストかなんて

結局のところ、誰にも分かりません。

困難な病と遭遇した時、医療だけでなく、個々の価値観や変化など、様々な要素が複雑に絡み合うからです。

先生に、この私の恐れ(手術をしても再発や転移の可能性)を話したとき

「再発や転移がないよう、ベストな状態で手術にのぞみます」と力強い言葉をくださいました。

先生の「覚悟」を感じることができ、とても嬉しかったのを覚えています。

でも、本当のところ

目に見えないがん細胞まで追うことなんて、誰にも出来ないんです。

賭け

賭けと希望のイメージ

そんな状況のなか

それでも先生が手術の検討を提案してきたことは

ある意味、賭けだったと思います。

患者の命をなんとか救いたい、という医師としての賭け。

そして

わたしが最終的に手術を選択したことも、また

大きな賭けでした。

神様、どうか、わたしの命を繋げてください。

この時期の学び – 賭けに出る勇気と後悔しない覚悟

教訓

この期間の学びは

  1. リスクを承知の上で前へ進む「賭けに出る勇気
  2. 決めて行動したことに「後悔しない覚悟

です。

◇  ◇  ◇ 

手術というラッキーな状態へ持ち込めても、なお

膵がんという困難な病において、迷いや恐れに飲み込まれそうになりました。

◇  ◇  ◇ 

それでも

確実や保証がない状況の中では

「賭けに出る勇気」と「後悔しない覚悟」を手に携え

前に進むしかありませんでした。

おわりに

当初は、抗がん剤治療しか残されていないと思い、日々を過ごしていた私に、転機が訪れました。

不安や葛藤など様々な感情の波が起きましたが

この転機が好機となるよう、前へ進む覚悟を決めます。

そしていよいよ、手術。

続きは、次の記事でお話しします。

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • チコさん、初めましてこんにちは。
    闘病記、一気に全て読ませていただきました!
    膵臓癌というとてつもなく厄介な病気と正面から冷静に向き合い、ブログを書くことが癒しにもなっているとおっしゃる貴方は、大変強くしなやかなお心の持ち主ですね。

    ご自身の心の葛藤、恐れや迷いが読み手に本当によく伝わってくる内容で、チコさんご自身の勇気はもちろんのこと、文章力にも脱帽の思いです。このブログを読んだ全ての方に、前を向く力と勇気と癒しを与えているものと思います!

    私の母は6年前に膵臓癌のため亡くなりました。
    73歳でしたので、チコさんよりも遥かに体力がなかったのでしょう、抗がん剤治療を1クール終えた時点でもう耐えられないと言い、自宅での緩和治療に入ることを選択しました。

    母はなぜ自分が癌になったのか、最後までなかなか受け止められずに逝ったような気がします。
    どんな言葉をかけてあげれば良いか分からず、どんどん痩せ細っていく母を見るのが辛く、私の方が逃げ出したくなることもしばしばでした。
    ですので患者であられるチコさんご本人の強く前向きな姿勢には、本当に心が打たれました。

    チコさんの前を向く心や物事を俯瞰して考える力こそが、これまでの快復の要因となっているのでしょう。どうかこれからも焦らず恐れず、一つずつ快方へ歩んで行ってください。
    ブログの更新を楽しみにしております。

  • チコさん、初めましてこんにちは。闘病記、一気に全て読ませていただきました!
    膵臓癌というとてつもなく厄介な病気と正面から冷静に向き合い、ブログを書くことが癒しにもなっているとおっしゃる貴方は、大変強くしなやかなお心の持ち主ですね。

    ご自身の心の葛藤、恐れや迷いが読み手に本当によく伝わってくる内容で、チコさんご自身の勇気はもちろんのこと、文章力にも脱帽の思いです。このブログを読んだ全ての方に、前を向く力と勇気と癒しを与えているものと思います!

    私の母は6年前に膵臓癌により亡くなりました。73歳でしたので、チコさんよりも遥かに体力がなかったのでしょう、抗がん剤治療を1クール終えた時点でもう耐えられないと言い、自宅での緩和治療に入ることを選択しました。

    母はなぜ自分が癌になったのか、最後までなかなか受け止められずに逝ったような気がします。
    そばで見ていてとても辛かったです。どんな言葉をかけてあげれば良いか分からず、どんどん痩せ細っていく母を見るのが辛く、私の方が逃げ出したくなることもしばしばでした。
    ですので患者であられるチコさんご本人の強く前向きな姿勢には、本当に心が打たれました。

    チコさんの前を向く心や物事を俯瞰して考える力こそが、これまでの快復の要因となっているのでしょう。どうかこれからも焦らず恐れず、一つずつ快方へ歩んで行ってください。
    ブログの更新を楽しみにしております!

    • かずえこさん
      こんにちは、はじめまして!
      コメントありがとうございます。

      闘病記、すべて読んでいただいたなんて嬉しいです。(^^)
      1~10までどれも長文のため、読むのが大変だったと思いますが (^^;)・・
      読んでいただいて、こんな温かいコメントまでいただいて、本当に感謝です。

      お母さまについては、本当に残念でしたね。かずえこさんも、とてもお辛かったと思います。
      私も母をがんで亡くしているので分かるのですが、こういう病気って、周りがとても辛い思いをするのですよね。

      また、病気になられたお母さまについては73歳だったとのことで、やはり体力的に相当キツかっただろうこと、自分が治療をしてみて、よく理解できます。

      手術からの続きの記録も書いていくので、また見に来てくださいね。
      今はコロナ禍などいろいろ大変な時期ですので、かずえこさんご自身も、どうかお身体に気を付けてお過ごしください。

  • チコさんこんにちは
    先ほど膵臓癌で闘病中の叔母から電話があり今の抗がん剤から違う抗がん剤に変更になるので
    カンファに来て欲しいと連絡がありました。
    入院してから46時間点滴を打つと聞いた様で療法のことは聞いていないとのことでした。
    多分フォルフィリノックスかと見当をつけ検索していたところこちらのブログに辿り着きました。

    8年前に身内同然の友を胃がんで亡くし診断から治療みとりと経験しましたが癌は場所が違うと
    治療も違いこちらの闘病記を拝見してとても参考になりました。

    どうかチコさんの治療がうまくいきます様にと願います。
    末筆ではありますがお体くれぐれもご自愛下さい。

    • みくさん

      温かいコメントありがとうございます。

      叔母さまの新しい抗がん剤治療が始まるのですね。

      薬によって副作用や勝手も違うので、慣れるまで大変だと思いますが、私も陰ながら応援させていただきます。

      フォルフィリノックスは強いお薬ですが、その分効果も期待できると言われています。上手くいくことを信じて祈りましょう。

      叔母さまにも、どうか宜しくお伝えください。

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