【闘病記11】命のリレーと、手術(膵頭十二指腸切除術)

闘病記11 - 命のリレーと、手術(膵頭十二指腸切除術)

このブログでは、すい臓がん完治するまでの、知識と経験を共有していきます

こんにちは、チコです。

今日は、前回の投稿(以下)の続きからお話しします。

ラッキーにも手術ができることになった。それでも、不安が消えない私。

そこで、内科の主治医から紹介された外科の先生にお会いした時、こう言いました。

チコ

手術が怖い。やるかどうか迷ってる

今回は、このあたりからお話しします。

もくじ

内科から外科へ、命のバトンリレー

リレーで走るイメージ

当初、「手術は無理」「一生抗がん剤」という診断でした。

ところがある日、主治医の一言から、私のがん治療が大きく舵を切られることになります。

専門病院 K 先生

外科の先生にあってみませんか

チコ

・・・

そう

「一生抗がん剤の延命治療」から

「手術で根治を目指す治療」へ変わったわけです。

初めての涙と主治医の励まし

本来なら、喜ぶべきことかもしれません。

覚悟と涙

涙のイメージ

ところがこの時、『覚悟』という大きな壁を目の前に

私の目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちてきました。

がんの診断以降、一度も自分の病気のことで泣いたことのなかった私。

この反応には、私自身も、正直びっくりです。

チコ

あれ、ごめんなさい。わたし泣いちゃってる。なんでだろう?

先生や看護師さんも、はじめて泣く私をみて、少し驚いた様子。

このとき、看護師さんがそっとティッシュを差し出してくれた。

看護師さん

どうぞ

そのとっさの優しさが、とても心に染みたことを、よく覚えています。

内科の先生の言葉

診察室のイメージ

内科主治医のK先生もすかさず

専門病院 K 先生

うん、いろいろ不安もあるよね
でも、僕だったら手術に挑戦するな


と言葉をかけて下さいました。

このことは、わたしの背中を大きく前へ押してくれました。

ところが

それでもまだ

全力で手術へ向かいたいという、しっかりとした心構えを持つことのできない自分がいたのです。

わたしの中には、まだ、迷いがありました。

外科の先生の言葉

医師のイメージ

そこで、外科主治医のN先生に会ったとき、

この私の気持ちを正直に話してみました。

チコ

先生、わたしね、まだ怖いんです

チコ

手術をするかどうか、まだ迷ってます

すると、一呼吸おいた先生は、静かに話しはじめました。

専門病院 N 先生

気持ちは分かります。
でもね

でもね

専門病院 N 先生

あなたのようなステージから、手術まで持ち込める人は、非常に稀です

私たちもね、様々なリスクを考慮すると、
残念ながら、そう簡単に手術をしてあげることはできない

・・実際、手術をしたくても出来ない人がたくさんいる・・・

専門病院 N 先生

だから、手術までたどり着くって大変なことなんだ
あなたは選ばれてここまで来たんだよ

・・・

チコ

手術したくても、出来ない人がたくさんいる・・・

専門病院 N 先生

そう

このときの会話が、怯えていた私の背中を、さらに前へと押してくれたのでした。

命のバトンリレー

走る
チコ

・・・バトン

バトンは渡された

バトンは渡された

手術への覚悟を決め、私の中の何かスイッチが切り替わるのを感じるとともに

バトンタッチのイメージが頭に浮かび、「これはバトンリレーなんだ」と思いました。

思えば

私の治療のバトンリレーは、本当にギリギリのところで繋がれてきた・・・

チコ

何度も落としそうになりながら繋いだね・・・

そんなふうに感じました。

様々なことを乗り越えて

内科での抗がん剤治療から、外科で手術をすることになるまで

実に様々なことがありました。

  1. 膵がんが動脈へ浸潤、リンパ節への転移の可能性も
  2. 手術は無理、一生抗がん剤の診断
  3. 抗がん剤治療を開始
  4. 抗がん剤の1つにアレルギー発症
  5. 抗がん剤への耐性の可能性
  6. ラッキーことに、がんが動脈から離れた
  7. 手術に踏みきる

抗がん剤へのアレルギーを発症し、薬への耐性の可能性も出てきた・・・

こんな状況になりながら、それでも

がんが手術の妨げになる動脈から離れてくれたことは、本当にラッキーでした。

明るい兆しのイメージ

一方で

この切迫した希少な時を逃すことなく、すばやく、かつ絶妙なタイミングで、外科へバトンを受け渡してくれた内科のK先生

バトンを受けとり、最速のタイミングで手術のスケジュールを調整し準備してくださった外科のN先生

バトンタッチ

さらに

手術をすることになってからも、ずっと並走しフォローアップしてくれた内科のK先生

彼らの素晴らしいバトンリレーには、感謝してもし尽くせません。

あとは

神さま、どうか、

どうか、このまま

バトンを渡す

ゴールまでバトンを上手く繋げますように。

術前検査とオリエンテーション

様々な出来事のなか走るイメージ

こうして、次にすべき方向「手術」が決まると

次々と準備が進められ、

瞬く間に時が流れていくかのように感じました。

瞬く間に時が流れていくイメージ

そして、術前検査から手術まで、次々とバトンが繋がれていったのでした。

術前検査と入院手続き

画像検査

🕒 2020/11/5 レントゲン、呼吸機能検査、心電図

術前検査として、レントゲン、呼吸機能検査、心電図をとりました。

🕒 2020/11/5 入院手続き

入院手続きも済ませておきます。

医療費貧乏なので大部屋を希望。

最後の抗がん剤・フォルフィリノックス

抗がん剤

🕒 2020/11/6 術前の抗がん剤、最後の日です

身体への負担を減らすため、手術1ヶ月前から、抗がん剤をストップ。

術後補助療法の抗がん剤は、TS-1になるため、 フォルフィリノックスは今回が最後です。

この日の日記

フォルフィリノックス、8ヶ月前の3月6日、私はあなたを治療の切り札に選んだよ

そして、3月11日の入院で始まった抗がん剤治療。8ヶ月弱、私を必死で支えてくれたね

これまで、ありがとう

バイバイ

バトンは渡された

大腸内視鏡検査で神経内分泌腫瘍が見つかる

検査結果を指摘する先生

🕒 2020/11/15 大腸内視鏡検査

すい臓がんの術前検査のはずでしたが、

新たに、直腸に神経内分泌腫瘍が見つかってしまいました。

神経内分泌腫瘍、聞き慣れない言葉ですが、スティーブ・ジョブズが患った病気(彼の場合はすい臓)の直腸バージョンです。

🕒 2020/11/16 現実逃避で石垣島へ

直腸にまで腫瘍が見つかってしまったことからの現実逃避、

と言うわけではありませんが、どうしても手術前に海を見たくて

石垣島へ飛び立ちました。

石垣島へ向かう飛行機の中から
実際の写真:石垣島へ向かう飛行機の中から
石垣島
実際の写真:雨の中でも輝く石垣ブルーの海、一生この目に焼き付けておこうと思いました

胃カメラと腹部超音波検査

超音波検査

🕒 2020/11/21 胃カメラ

胃カメラ(上腹部内視鏡検査)も撮りました。

幸い腫瘍はありませんでしたが、萎縮性胃炎があるとのこと。

🕒 2020/11/21 腹部超音波検査

腹部超音波検査は、長い時間をかけ、かなり慎重に行われていました。

検査技師の方が、最初は1人だったものの、途中から2人になり

彼らの会話「(がんが動脈から)外れている」「いや外れてない?」の言葉に、かなりドキドキさせられたのを覚えています。

バトンタッチ

直腸神経内分泌腫瘍の内視鏡手術

手術のイメージ

🕒 2020/11/21 直腸神経内分泌腫瘍の摘出手術

11/15の術前検査で見つかった「直腸神経内分泌腫瘍」を内視鏡手術で摘出しました。

摘出した細胞は、病理検査へ。

この病理検査の結果によっては、すい臓がんの手術と同時に、直腸の手術も行なわれるかもしれないと言われましたが

幸いにも、最も悪性度の低いもので、内視鏡手術で完治ということになりました。

手術前口腔ケア

🕒 2020/11/26 口腔ケア

手術前後は、口腔内の細菌を除去し、肺炎などのリスクを減らすことが大切なのだそうです。

手術前の麻酔科受診

麻酔科受診のイメージ

🕒 2020/11/26 麻酔科を受診

手術時の全身麻酔を安全に行うため、術前に麻酔科医の診察を受けます。

診察では、病歴や健康状態の確認や、麻酔の説明がありました。

周術期オリエンテーション

病院のイメージ

🕒 2020/11/26 オリエンテーション

看護師さんによる病歴のヒアリングや、

手術への心構えやリスクを再確認するオリエンテーションが行われました。

バトンタッチ

手術日が決定

時

🕒 2020/11/29 手術日が決定する

11/29、急遽、手術日が12/5に決まったと連絡が入りました。

当初、手術日は、12/4の病院全体の会議後に決まる予定で

手術の混み具合から、早くとも12月中旬〜年末になる見込みでした。

ところが、

「手術に空きが出たため、早めに調整しましょう」という展開になったのです。

専門病院 N 先生

手術、12/5に入れられそうですよ!
良かったですね

チコ

え、いあいあ、あと1週間もないですけど・・・?

ここから、大急ぎで、12月中に入っていた仕事やイベントのキャンセル、術後の訪問介護と訪問医療の手続き、など

入院の準備を済ませることになりました。

バトンタッチ

入院と手術

病院

🕒 2020/12/4 入院

そして

🕒 2020/12/5 手術

入院から手術室へ向かうまで

病院

通常は数日前から入院するようですが

私の場合、時間に余裕がなくバタバタと、手術前日の入院となりました。

入院と手術前日

病院内

入院手続きを済ませ、部屋へ案内されると

明日の手術に備え、身支度などをして過ごしました。

  • 歯科で口腔ケア
  • お風呂
  • 美容院
  • 集中治療室への持ち物整理
  • 下剤を飲んでお腹もすっきり

夕方、家族が仕事をおえ、病院に駆けつけてくれました。

そして家族とともに、外科の先生(執刀医)のもとへ。

診察室のドア

明日の手術内容の説明がありました。

こんなふうにバタバタと過ぎていく手術前日。

夜は緊張で、きっと眠れないのでは…?

とも思いましたが、予想に反し、意外とあっさりぐっすりと眠ることができました。

手術の説明

診察室のイメージ

外科の主治医(執刀医)からの説明は、図を使った細かい話もありましたが、

主に、以下のようなものでした。

  1. 膵頭十二指腸切除と門脈合併切除・再建 ※1
  2. 転移があればインオペ(開腹しても手術不能)の可能性
  3. 場合によっては、すい臓全摘出の可能性
  4. 手術方式は、開腹してから、最終的に判断
  5. 手術中も病理検査 ※2 をしながら、慎重に進める
膵頭十二指腸切除術
出典:国立がん研究センター東病院 膵臓の手術について

手術当日、いよいよ手術室へ

手術室へ向かう廊下

さて、手術の当日になると、さすがに緊張が高まってきます。

その緊張が家族にも伝わったのでしょう。

手術前の見送り、感動的なシーンを期待していましたが・・・

家族

じ、じゃ、がんばって、ね、

チコ

おうよ、がんばるよ、よ

みたいな、ぎこちない会話で終わった私たち家族

なんだかコメディのようで、笑えましたw。

その後、看護師さんに付き添われ、手術室まで来ました。

看護師さん
チコ

看護師さん、ありがとうございます。
じゃあ行ってきます

そう言うと

看護師さんが、私の肩をぎゅっと抱きしめ、ぽんぽんと叩いてくれました。

この「ぽんぽん」が、緊張でカチコチに固まっていた私の心を一気にほぐし、気付けば

抑え切れないほどの涙が、ぼろぼろと、溢れ落ちていったのでした。

いよいよ手術

手術室に入る前後、医師や看護師さんたちが、次々に挨拶をしにきてくれました。

手術室、眠りに落ちるまで

手術室

手術室に入ると、まばゆいばかりの光(正確には、たくさんのまぶしいライト)に包まれ

手術台のベッドに横になりました。

硬膜外麻酔が背中に入るまで、少し時間がかかり、不安でしたが

それ以外は、たくさんの手術スタッフが、手際よく素早く、手術の準備を進めてくださいました。

手術準備

そうこうしているうちに

看護師さん

はい、眠くなっていきますよー

の声が聞こえ

・・・・・

ダンっ!

深い眠りの中へ

あっという間に私は、深い深い眠りの中へと落ちたのでした。

・・・

・・・・・

チクタク、ちくたく、ちくたく…

手術中の家族の様子

手術中の待合室

さて、

私の手術中、家族は一体どんな思いで過ごしたのでしょう。

長かったでしょうか?

それとも、短かったのでしょうか?

実際には、私が受けた手術内容(膵頭十二指腸切除+門脈合併切除・再建術)からすると

かなり短い時間(6時間)で終りました。

とはいえ、待っている家族にとっては、きっと長い時間に感じたことでしょう。

手術の待ち時間

私も、母のがんの手術の時はとてつもなく長く感じたので、よく分かります。

そのうえ、わたしの場合

「お腹を開けてみて、がんが広がっているようであれば、何もせずに閉じます」と言われていたので、

待っている者にとっては、その間、さまざまな心情が交差していたと思います。

手術が終わる・・がんは取り切れたの?

深い眠りの中へ

・・・・・

気分はどうですかーー?

気分はどうですかーー?

気分はどうですかーー?

看護師さん

はい、終わりましたからねー!

看護師さんの言葉で

眠りの中にいた私の意識は呼び戻され、

チコ

ああ、そっか、、手術してたんだ

と、現実を理解しました。

・・・

チコ

いま何時ですか?

時間

いま何時ですか?

失礼にも、開口一番、私が看護師さんに聞いた言葉です。

時間が気になったのは

  • 手術でちゃんとがんを取れたか
  • あるいは、諦めてただお腹を閉じたか

を確かめたかったからです。

看護師さん

いまね、午後3時半ですよっ!

こうして時間を確認すると、

安堵の気持ちとともに、またうつらうつらと眠りの中へと入っていきました。

ガチャ

ガチャ

ガチャ

◯◯さん、点滴お願いしますー!

ガラガラガラー

◯◯さん、痛み止め追加ねー!

ガチャガチャ

ICU

次に目覚めたのは、この物々しい空間の中。

ここ、集中治療室(ICU)で、地獄のような日々を過ごすことになるとは

この時はまだ想像もしていませんでした。

集中治療室

この続きは次の記事でお話しします。

膵がんの術式と膵頭十二指腸切除術のメモ

すい臓と周辺臓器、手術時に病院からもらったメモ
すい臓と周辺臓器、手術時に病院からもらったメモ

すい臓がんの主な術式と、わたしの受けた「膵頭十二指腸切除術」のメモを載せておきます。

私の場合、がんはすい臓の中央辺りにありましたが、膵頭部側を切除する『膵頭十二指腸切除術』という手術を受けました。

すい臓以外には、十二指腸、胆のう、胆管、胃の一部(幽門)、リンパ節を切除しています。

切除する部分、手術時に病院からもらったメモ
切除する部分、手術時に病院からもらったメモ

また、がんが門脈という血管にも広がっていたため、『 門脈合併切除・再建術 』という手術もあわせて行われました。

すい臓がんの手術は、それぞれ、どの部分を切除するかによって、主に以下の4つに分かれます。

以下、出典元:『膵臓がんについて』がん情報サービス

幽門輪温存(ゆうもんりんおんぞん)膵頭十二指腸切除術

『膵頭十二指腸切除術』(膵頭部を切除する)の中でも

胃が温存される(幽門を取らない)術式です。

幽門輪温存(ゆうもんりんおんぞん)膵頭十二指腸切除術
出典:膵臓がんについて|がん情報サービス

亜全胃温存(あぜんいおんぞん)膵頭十二指腸切除術

『膵頭十二指腸切除術』(膵頭部を切除する)の中でも

胃の(大部分は温存されますが)一部(幽門含む)を切除する術式です。

亜全胃温存(あぜんいおんぞん)膵頭十二指腸切除術
出典:膵臓がんについて|がん情報サービス

私が受けた手術は、この術式でした。

膵体尾部切除術

膵尾部を切除する術式です。

膵体尾部切除術
出典:膵臓がんについて|がん情報サービス

膵全摘術

すい臓をすべて摘出する術式です。

この時期の学び – 人は1人では生きていけない、だから感謝

この期間の学びは

「人は1人では生きていけない」です。

人は1人では生きていけない。だから周りに感謝して生きなさい

おそらく多くの人がそうであるように、

私もまた子供の頃、母からそう教わりました。

人は1人では生きていけない

バトンは渡された

今回、内科での抗がん剤治療から、外科での手術まで

ギリギリのところでうまくバトンをつないでくださった先生、看護師さん、技師さん

彼らのファインプレーに対して、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

バトンタッチ

とともに

周りからのたくさんの支えによって、私は生かされている

人は1人では生きていけない

のだと、あらためて実感しました。

感謝の心

感謝のイメージ

もちろん、病気になる前から、つねに感謝の気持ちは持っています。

でも、病気になった今ほど、心の奥底から湧き上がる強い気持ちかというと、そうではなかったかもしれません。

内科治療から外科治療への命のバトンリレー

バトンリレー

この繋がれたバトンは、先生はもちろん、たくさんの人たちの力の結晶によるものです。

感謝をしてもし尽くせません。

感謝をして生きる

この病気をとおして、あらためて学んだ「感謝の心」です。

おわりに

つぼみ、希望

今回は、手術が終わったところまでお話ししました。

手術が終わり、集中治療室・ICUで目を覚ますと、

そこはまるで戦場のような場所だと感じました。

そしてこの後やってくる壮絶な痛みとの闘い、看護師さんとの切迫したやりとり

次回はそこからお話しします。

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