このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
【闘病記01】がん診断まで – 不調の一年と、診療所での検査
こんにちは、チコです。
わたしは、2019年2月14日にすい臓がんと診断されました。
診断当初は、「手術はできない」「一生抗がん剤」、残された治療は延命治療のみ、という状態でした。
ところがその後、手術ができることになり、術後補助化学療法を経て、がんの治療は完了。
看護師さんからは「奇跡の患者」「希望の星です」という嬉しい言葉をいただきました。
膵がんになってから今日まで、これまでの人生にはなかった様々なことを経験しました。
本記事を含めた『闘病記シリーズ 』では、2019年2月の「がん告知」から2022年の「回復」までの日々を振り返っていきます。
当サイトに初めて来ていただいた方は、ぜひ以下の記事も読んでみて下さい。
他人事のように感じた膵がん告知
うーん
「これは、すい臓がんですね」
・・・・・・・・・・・・・・・・?
2019年2月14日、大学病院の消化器内科での、先生のこの一言
この一言から私の人生は大きく急展開していくことになります。
いつもより数時間も早く診察室へ
2019年1月に近所の診療所で「自己免疫性膵炎の疑い」と診断され、訪ねた大学病院
すでに何度か受診し、胃カメラやCTなどの検査を済ませ、今回はその結果を聞くための訪問でした。
混雑していて、大体いつも3〜5時間近くは呼ばれないため
この日も相当待つことを覚悟していました。
長い待ち時間に仕事ができるようにとパソコンの準備もばっちり。
ちょうど取引先からのメールをチェックしていたとき
チコさーん、診察室へどうぞ
看護師さんから名前を呼ばれました。
このとき、思わず時計を2度見してしまったことを覚えています。
というのも、診察の受け付けを済ませてから、まだ40~50分ほどしか経っていなかったからです。
はやっ、もう呼ばれたし。今日もたくさんの患者さんいるけど・・
なぜか私の順番が先に回されてる?
ま、いっか。ラッキー!今日は早く帰れるなー♪
スキップを踏む勢いで診察室へと入ったのも束の間
なんだか重い雰囲気に包まれているのを感じました。
淡々と伝えられた膵がんの告知
優しそうな雰囲気の消化器内科の先生。
CT画像を見つめながら、一瞬ゴクリと言葉をのんだあと、こちらを見ることもなく話し始めました。
うーん・・
これは、すい臓がんですね
はあ、そうですか
・・・え?!・・がん?ですか?
あのね、本当はすぐに手術したほうがいいんだよね
ただね、外科とまた相談してみるけど、難しいかもしれないんだよね
よく分からなくなってきたぞ。
がん?って誰が?
え、私が、がんなの?
ん?手術をしたほうが良いけど、手術ができないってどういうこと?
というのもね
この動脈にまでね・・・
先生は、私が膵がんを発症していること、いま私の身体の中で起きていることを、淡々と説明してくれました。
ちょっ、ちょっと待ってー、話についていけないよーーーー
すい臓がんってなに?
膵臓ってどこにある臓器だっけ?どんな働きをしてるの?
あはは、わたし夢をみてるんだなー。
・・・・・・・・
とりあえず、確か私、120歳までは生きるプラン立ててたから大丈夫よね?・・・・
1年前からの自覚症状と直感の声
ところで、
膵臓がんは自覚症状をほとんど感じないと聞きますが、実際のところどうなのでしょう。
一年前から吐き気や嘔吐が頻繁に
わたしの場合、約一年ほど前から、身体からのサインがあったように思います。
カレンダーと日記を確認したところ
がんと診断される約1年前 2018年3月に、「みぞおちの上あたりが痛い」と書いてありました。
また、同じ月、例年の桜お花見バーベキューの夜、激しい腹痛と嘔吐を経験。
じつは、この2018年、吐き気や嘔吐といったお腹の不調が増え、そのたび、妙に心がざわついたのを覚えています。
実際、一年を通して何回も内科を訪れては不調をうったえていました。
ところが、子供時分からお腹が弱く、何度か腹痛でお世話になった診療所では、「食あたり」「お腹の風邪」などと言われるばかり…
また、たとえ念のため血液検査をしても数値に問題はなく、健康そのもの。
そのため、まさかこんな大病をかかえることになるとは、当時だれも予想しなかったのです。
検査を受けて、と直感の声が聞こえる
じゃあ、どうやって膵がんと分かったのか?
この2018年の体調不良の増加、感じたことのない心の騒つき、これらに対する不安が大きくなってきたからです。
当初は、診療所での「食あたり」「風邪」との診断に対し、「私が気にし過ぎなのかな・・」と考えていました。
ところが、2019年に入る頃から、「もう我慢できない、やっぱり何かがおかしい」と思うようになりました。
というのも
子供のころ体調を崩した際によく母が作ってくれた、椎茸茶を無性に飲みたくなったり
夜寝ているとき頭の上の方で、ジリジリジリやピッという電子音(耳鳴り?)がしたり
滅多に見ない夢に、亡き母が出てきたり・・・
とくに霊感もない、スピリチュアルに傾倒しているわけでもない、のほほんと生きている私ですが
「やっぱり何かがおかしい。しっかり検査を受けるべき」と強く感じるようになっていったのです。
直感を信じ、近くの診療所で検査を懇願
とはいえ、これまで訪ねた近くの内科の医院はどこも「大したことない」で終わってしまうし、
検査をしてくれそうな大学病院は紹介状が必要。
はて、どうしたものかなあ・・・
と探していたら、超音波や内視鏡もやっている診療所を見つけることができました。
そこで、早速予約を入れ、診察をしてもらうことに。
2018年から続いた体調不良、どのクリニックでも「風邪」「食あたり」「様子見で」と言われ、詳しい検査までいたらなかったこと、を伝えたあと
私は、こう言いました。
検査をしてもらえるまで帰りません
・・・・・
分かりました。ではまず超音波で見てみましょう
突然早くなった時計の動き
2018年一年を通し、体調不良で近くの診療所をいくつもまわるも、どこも「大したことはない」という診断でした。
ここへきて、ようやく一歩進んだ検査をしてもらうことができたわけです。
この超音波検査をしてくれた診療所の先生には、本当に感謝をしています。
そして、この検査をきっかけとして、最初の章でお話しした、がんの告知まで
時計の針が、しだいに速い速度で回り始めていくように感じました。
続きは、以下の記事でお話しします。
この期間の学び – 諸行無常(しょぎょうむじょう)
がんと診断され
『諸行無常(しょぎょうむじょう)』
という言葉を思い出しました。
そう、中学の国語で習う「平家物語」のあの冒頭部分です。
祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ
◇ ◇ ◇
世の中の全てのものは常に変化する『諸行無常』そして『無常観』
世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはないということ
出典:goo辞書『諸行無常』
◇ ◇ ◇
私の人生、決して平坦ではなかったけれど、健康な時は
その健康は永久に続くかのように錯覚していました。
そして病気になり、あらためて、この『諸行無常』を深く噛みしめることになったのでした。
おわりに
今回は、がんと診断されるまでの経過をお話ししました。
1年前からあった自覚症状に不安を覚えていた私は、とうとう近くの診療所で検査を懇願します。
そこで待っていた結果は・・・
続きは、以下の記事でお話しします。
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