【闘病記08】抗がん剤治療 – 別れと悲しみ、感動と喜びの日々

【闘病記08】抗がん剤治療 - 別れと悲しみ、感動と喜びの日々

このブログでは、すい臓がん完治するまでの、知識と経験を共有していきます

こんにちは、チコです。

前回は、フォルフィリノックス(FOLFIRINOX)療法の初回入院と、その後の副作用について、お話ししました。

今回は、抗がん剤治療中の日々と、薬が効いてがんが小さくなっていくまでの様子をお話しします。

もくじ

さまざまな別れ

別れ

がんになり、私自身の心にも、周りの状況にも、大きな変化がありました。

そして、つらい別れも。

汗と涙の断捨離

汗と涙

第1回目の抗がん剤治療の入院が終わり、自宅に戻ると、無性に断捨離をしたいという気持ちになりました。

必要最低限以外のものは置かず、インテリアを180度変えたいという気持ちが湧き上がってきたのです。

断捨離

とはいえ、治療中の私の体は、突然「シャットダウン」ボタンが押されたかのように動けなくなることも多々あり

片付けや模様替えは、そう簡単ではありません。

体調が辛すぎて、冷や汗が出たり、涙が出てくることもありました。

体調不良で冷や汗

それでも、一日中、まるで何かに取り憑かれたかのように、部屋を片付け、模様替えに没頭する毎日を送りました。

なぜこれほどまでに断捨離への気持ちを駆り立てられるのかと考えてみると、2つの理由がありました。

身辺整理

整理

自分に何かあったときのために、身辺整理をしておきたいという気持ちがあったように思います。

私の場合、診断の時点で「一生抗がん剤」というふうに言われていました。

膵がんの場合、抗がん剤の種類も少なく、1つの抗がん剤が効く期間も限られている。

時間が勝負

いつまで自分の体がもつかわからない

という状況の中で、もはや、物への執着はなくなっていました。

くつろげる部屋

部屋

がんの前までは、2年ほど自宅で仕事をしていたため

インテリアは、仕事が効率よくこなせるためのデザインにしてました。

しかし、病気になり、より「くつろげる空間」を作りたいと思うように。

くつろげる部屋にして

「くつろげる空間作りが、病気が好転するのをサポートするよ」といった、身体の声が聞こえた気がしたのです。

目を閉じると

家具は、こんな配置にして

天井には、シーリングファンを取り付けて

などという、声が聞こえてくるような感覚がありました。

そこで「これも直感かも?」と思い、したがってみることにしたわけです。

断捨離

同病の友達との別れ

別れ

この時期、悲しい別れも経験しました。

ちょうど、病院の外来通院センターで抗がん剤治療の受付の手続きをしていた時です。

電話が鳴っているのに気が付きました。

携帯

いつもなら、バタバタ忙しいときは、電話を無視してしまうのですが、

この時はなぜか「電話に出なきゃ」と思いました。

電話をとると、「お世話になっています」と聞き慣れない男の人の声。

Mの旦那です。
チコさん、ですよね?
家内からいつも、話を聞いていました

チコ

あー、はい・・・

・・・・・

家内が亡くなりました

・・・・・

雨と焦り

え?

家内が亡くなりました・・・

チコ

あの、ついこの間、LINEで話をしました・・・ 少し体調くずしたけど、花火楽しみにしてるって・・・

はい、家内は、最後まで元気に頑張って生きようとしていました。
ですが、病態が急変して・・

涙

その後、電話の向こうですすり泣く声が聞こえると

ようやく私は、これが、夢でも冗談でもなく

本当に起きている事なんだと、なんとか理解することが出来ました。

その後、病院での5時間の抗がん剤治療中、頭の中はぐちゃぐちゃでした。

チコ

Mさん、花火、一緒に観ようって言ってたよね

私、お姉ちゃんに頼んで、花火大会のチケットの予約、取っておいたよ。楽しみにしてたよ

花火の思い出

涙が頬をつたうのを隠すことは出来ませんでした。

がんのヤツ!ひどいよーーーーーっ!

見えてきた希望の光

雨上がりと希望の光

春から始めた抗がん剤治療。

開始早々、白血球減少で治療をスキップ。

その後も、次々と副作用に悩まされ

同病の友との、別れに泣き

さまざまな試練がありました。

ところがその年、夏の足音が近づくにつれ、なんと状況が好転してきたのです。

抗がん剤の効果で、腫瘍が縮小

抗がん剤治療

投与し始めのころは、

これだけ副作用でつらい思いをしている割には、効果が少ないんじゃないかと疑いました。

あまりに辛い日々がつづき、抗がん剤の意味さえわからなくなりました。

無治療や、代替医療を考えたことも。

不安と迷いのなか続けた抗がん剤治療でしたが

3ヶ月ほど過ぎ、光明の光がさしてきました。

差し込む光

7月に入り撮ったCTで、2.5cmだった私の腫瘍は、1.0×1.8cmの大きさまで縮小し

当初一番心配していた、血管に巻きついた腫瘍も、血管から離れてきました。

副作用の軽減で、短時間の外出も可能に

晴れた日

ちょうど、がんが縮小してきた時期と重なっているでしょうか。

一時期は一日中ベッドで過ごす日々でしたが、そんな副作用も、徐々に軽くなってきました。

吐き気や、耐えられないほどの倦怠感といった症状が、少し改善していったのです。

体調の良いタイミングを見計らい、日中、公園やスーパーへ散歩がてらの外出にも挑戦してみました。

お出かけ

出かけられる自信がついてくると、今度は

近所の雑貨屋さんでインテリア小物を買ってきては、部屋の模様替えを楽しむようになりました。

休み休みの作業でしたが、キッチンにタイルシート貼ってみたり、観葉植物を飾ってみたり。

いつの間にか、身辺整理のための断捨離が、楽しいDIYや模様替え作業へと変わっていきました。

忘れられない花火大会

花火

ぱんぱん、パーン!パン、ぱーん!

抗がん剤治療をはじめてから4ヶ月

とうとう、わたしの大好きな夏が、花火とともにやってきました!

毎年楽しみにしている「横浜トワイライトスパークリング花火」を皮切りに

豊洲で行われた未来型花火「スターアイランド」

子供のころから大好きだった遊園地としまえんの花火

魂が震える花火として人気の長岡まつり花火大会

などなど!

色とりどりの花火が私の目の前を通りすぎていきました。

とろけそうな暑い夏。

暑い夏
チコ

わー、きれい!

花火に魅了され、元気に外出できた私を見た家族は

家族

すごいよ!チコはもう大丈夫

このまま病気をぶっ飛ばすよー!

そう言って応援してくれました。

バンバーン!ばーん!

この夏の花火は、私にあらためて「生きている喜び」を教えてくれました。

夏の思い出

そして、この「人生は呼吸の数ではなく、感動の数だ」という名言を思い出し、わたしは幸せ者だと思いました。

Life is not measured by the number of breaths we take,but by the moments that take our breath away. by Maya Angelou

人生とは、どれほど呼吸をしたかではなく、どれほど心震える瞬間を味わったかで決まるのだ

花火を観ながら、一緒に来るはずだったMさんを思い、ぽろぽろ、ぽろぽろと、こぼれ落ちる涙

家族に「泣いてる」と思われるのが嫌で、涙が乾くまで身動きできなかった私

忘れられない思い出の一つです。

この時期の学び – 涙が出そうになるくらいに、生きろ

教訓

がんと診断され、治療がはじまり、効果が出るまでのこの期間、様々なことが起こりました。

つらいこともたくさん。

でも、この病気になってから初めて「幸せ」だと感じることができました。

「こんなに辛いことってある?」と思いながら、同時に、「あー幸せだな」と感じられる人間の力に、驚きました。

◇  ◇  ◇ 

Life is not measured by the number of breaths we take,but by the moments that take our breath away. by Maya Angelou

人生とは、どれほど呼吸をしたかではなく、どれほど心震える瞬間を味わったかで決まるのだ

人生は、どれほどの心震える瞬間を味わったかで決まる、本当にその通りだと思います。

そして

Live to the point of tears. by Albert Camus

涙が出そうになるくらいに、生きろ

涙が出そうになるくらいに、生きろ

おわりに

今回は、抗がん剤治療を始めてから、がんが縮小していくまでの出来事をお話ししてきました。

大好きな夏を思う存分味わい、抗がん剤の効果に喜んでいた私と家族。

その後、「抗がん剤の耐性」という暗雲が立ち込めてくる事は、この時は、知る由もありませんでした。

続きは、以下の記事でお話しします。

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