このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
【闘病記13】術後の入院生活と「奇跡の患者」という言霊
![闘病記13-術後の入院生活と「奇跡」の患者](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2022/02/ep13-min.jpg)
こんにちは、チコです。
前回の投稿では、術後の集中治療室での日々をお話しました。
我慢できないほどの痛み、感謝の涙、そして、生きる希望。
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2022/02/ep12-min-300x158.jpg)
今回は、そんな集中治療室を退室してからの、一般病棟での生活をお話しします。
病棟での13日間の入院生活
![一般病棟](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/2-3-4-min.jpg)
痛みで、まさに七転八倒だった集中治療室での日々も終わりを迎え
12月9日、一般病棟へ移ることになりました。
思わず「安楽死」と言う言葉まで持ち出した ほどの、ひどい痛みの時期が過ぎたとはいえ
まだまだ痛みのコントロールに悪戦苦闘する日々が続きます。
12月21日の退院までの日々を振り返ります。
たくさんの管とわたし
![たくさんの管や点滴](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800-journey11-11-min.jpg)
手術後はたくさんの管や点滴に繋がれていました。
- 鼻の管と酸素マスク
- お腹の管2本(お腹にたまる液を排出するドレーン)
- 栄養の点滴
- 痛み止めの点滴
- 背骨からの管(痛み止め・硬膜外麻酔)
- 尿管
これらは、回復を見ながら徐々に外されていきますが
たくさんのチューブや点滴につながれ、寝返りも打ちづらい、煩わしいものでした。
「とにかく早く、菅が抜けて、楽になりたい!」と思う一方
「まだ抜かないで〜」と先生や看護師さんにお願いしたものもありました。
以下の3つです。
- 硬膜外麻酔
- 痛み止めの点滴
- 尿管
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800-journey11-8-min.jpg)
1. 硬膜外麻酔
背中からの痛み止め(局所麻酔の一つ)。
副作用や合併症を懸念し、早く外したい先生。痛みに怯え、外したくない私。
「もう外しちゃいましょ」「いあいあ、あともう1日」、こんなバトルが繰り広げられましたw。
2. 痛み止めの点滴
点滴での痛み止めも、硬膜外麻酔と同様
「そろそろ外しますかね」「いやいや、まだお願いします」
のようなやりとりが何度も繰り返されました。
今思うと、私はきっと他の人より、かなり痛みに弱いのかもしれません。
3. 尿管
トイレに行く痛みを考えると、尿管も外して欲しくないと思うものの1つでした。
とはいえ、食事が始まると、どちらにしてもトイレに行くことになるので、はずしてもらうことに。
腹水かかえ一心不乱のリハビリ
![病棟](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/3-3-min.jpg)
術後から10日近く経つと、激しい痛みはだいぶ治ってきました。
ところが、痛みと交代に、今度は腹部膨満感と下痢に悩まされるようになります。
まるで臨月の妊婦さんのように、膨らんだお腹を抱え、先生に相談。超音波検査をしてもらいました。
術後の腹水やガスが原因とのことで、とりあえず、利尿剤を飲んで対処することに。
![パンパンに張ったお腹](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/stomach_640-min.jpg)
それでも私にとっては、痛みがひいてきたことがとても嬉しく、より一層リハビリに励むようになりました。
1回15分、1日4〜5回、ナースステーションの周りを歩きました。
一歩足を踏み出すたび、パンパンに張ったお腹に、ズシンと響いて痛みます。そんなお腹をさすったり抱えたりしながら、歩きました。
ただただ、一心不乱に。
![よろよろと歩く](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/03/mascot1-min.jpg)
こうしたことも、今となっては良い思い出です。
クリスマス聖歌隊とキャンドルサービス
![実際の写真:クリスマスカード](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6269-min.jpg)
12月17日、病院主催の少し早めのクリスマス キャンドル・サービスがありました。
お手製のクリスマスカードをいただき
![実際の写真:看護師さんによるクリスマス聖歌隊](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6270-min.jpg)
看護師さんなどによるクリスマス聖歌隊の歌に耳を傾けました。
決して派手ではないけど、あったかいクリスマスイベント。
![素敵なプレゼント](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_journey11-12-min.jpg)
大変な思いをしている私たちの心を、ホッと和ませる
素敵な時間をプレゼントして頂きました。
奇跡の患者
![つぼみ](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/04/icon800_3-3-2-sleep-1-min.jpg)
入院中、抗がん剤治療でお世話になった看護師さんと、内科の主治医が、お見舞いに来てくれました。
看護師さんと主治医のお見舞いに涙
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/2-2-min.jpg)
たくさんの患者さんをかかえる内科主治医K先生と、看護師 Tさん。
お忙しい中、担当を離れた私にまで気をかけてくれる彼らの訪問は
痛みで弱った私の心を、温かく包んでくれました。
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4992-min.jpg)
どお?
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
手術おつかれさま!
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/4.smile1_v2-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/4.smile1_v2-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/4.smile1_v2-min.jpg)
わー、Tさん、K先生
来てくださったんですね!
3人でしばし談笑していると、看護師のTさんがK先生に
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
K先生、ほらね、チコさんは奇跡の1人になるって話してたけど、
その予想は当たってましたねー
・・・奇跡かあ
![つぼみが咲く](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/04/icon800_3-3-2-sleep-2b-min.jpg)
![つぼみが咲く](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/04/icon800_3-3-2-sleep-2b-min.jpg)
わたしが「奇跡の1人になる」という会話を聞き、とても嬉しくなりました。
実際どこまで私の命が繋がれるかは、神のみぞ知る、のかもしれません。
それでも私は、
彼女が言ってくれた「奇跡」という言葉の力を信じたい、そう思うのでした。
本当の闘いはここからだった
![暗雲](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/2-2-800-min.jpg)
![暗雲](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/2-2-800-min.jpg)
そんな「奇跡」という言霊パワーに背中を押され、「後は回復するだけ」
そんなふうに思ったのもつかの間、この後長く苦しい時期へ突入していきます。
その片鱗は、食事の途中から起きる激しい下痢にありました。
続きは次の記事でお伝えします。
病院食コレクション
![実際の写真:病室からの眺め](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2275-min.jpg)
![実際の写真:病室からの眺め](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2275-min.jpg)
手術後、腹水によるお腹の張りや、ひどい下痢に悩まされましたが
それでも、口から物を食べられるということに、本当に嬉しさを覚えました。
食事の時間が楽しみで、写真に撮っては、姉や家族に送っています。
ここでは、いただいた病院食の一部をご紹介します。
術後流動食
術後5日目、一般病棟にうつり、はじめて食事を出していただきました。
食物を口から入れることを、かなり長く休んでいました。
私の胃や腸は、ちゃんと食物を受け入れ、消化してくれるのだろうか・・
![実際の写真:術後流動食(12月9日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6275-min.jpg)
![実際の写真:術後流動食(12月9日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6275-min.jpg)
なーんて、そんな心配は無用でしたね。
重湯やお味噌汁の美味しいこと。身体にしみわたる食物を堪能しました。
![実際の写真: 術後流動食 (12月10日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2280-min.jpg)
![実際の写真: 術後流動食 (12月10日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2280-min.jpg)
ちなみに、重湯は、お米1に対し水10~20の割合で炊いたお粥ですね。
術後5分粥食
ついに5分粥食。お米1に対し、水10の割合で炊いたもの。
![実際の写真:術後五分粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2293-min.jpg)
![実際の写真:術後五分粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2293-min.jpg)
まだかなり柔らかい消化の良さそうなものばかりです。
![実際の写真:術後五分粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6274-min.jpg)
![実際の写真:術後五分粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6274-min.jpg)
術後全粥食
ついに全粥食。お米1に対し、水5の割合で炊いたもの。
![実際の写真:術後全粥(12月13日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2305-min.jpg)
![実際の写真:術後全粥(12月13日)](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2305-min.jpg)
おかずも、だいぶ常食に近づいてきました。
![実際の写真:術後全粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6272-min.jpg)
![実際の写真:術後全粥食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-6272-min.jpg)
あともう一歩!
術後常食
12月19日の夕食からついに常食になりました。
![実際の写真:術後常食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2333-min.jpg)
![実際の写真:術後常食](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2333-min.jpg)
久々の白いご飯、あー、美味しいなあー
ちなみに、わたしの「流動食」から「全粥」「常食」までの経過は、すごく早かったそうです。
さすが食に貪欲なわたし・・・
最後は、そんな食いしん坊の写真です、笑(失礼いたしました)
![食事に喜ぶわたし](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2329-min.jpg)
![食事に喜ぶわたし](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/11/800_IMG-2329-min.jpg)
食事にがっつく私を見るたび、先生が、「全部食べなくていいんだからねっ!」と、たしなめるのでした・・・。
この時期の学び – 言葉の力
![学び](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-2-min.jpg)
![学び](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-2-min.jpg)
言葉の力。
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/08/icon400_IMG_4982-min.jpg)
K先生、ほらね、チコさんは奇跡の1人になるって話してたけど、
その予想は当たってましたねー
「奇跡の1人になる」
会話の中でただ何気なく発せられた、看護師Tさんの言葉でした。
でも、彼女のこの言葉こそが、術後の痛みで弱っていた私の心と身体を、力強く押し上げ、
元気にしてくれました。
『言葉の力』 言葉は現実化する
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-3-2-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-3-2-min.jpg)
言葉の力って大きいなと、あらためて思います。
よく啓発本などで、言葉は現実化するといった内容のものがあります。
怪しいと思われる方もいらっしゃると思いますが、
私はあながち間違っているとは思いません。
人生を振り返れば、私自身、「不可能だ」と思っていたことが
案外簡単に「可能」となったことがあります。
例えば、
- 長いあいだ4段さえ飛べなかった跳び箱が、突然、8段も飛べるようになった
- まったく英語ができず、「TOEICなんて受けることすら無理」と思っていた私が、1ヵ月で830点取れた
- 英語レベルの低い私が、PMPというアメリカのプロマネ試験に、英語ネイティブの同級生の誰より早く、一発合格できた
これらの例は、「全く無理」だと思っていたことが、本当に「短期間で可能」になった出来事です。
この裏にこそ、『言葉の力』がありました。
ピグマリオン効果(pygmalion effect)
![受け入れる](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-3-2b-min.jpg)
![受け入れる](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/06/icon800_1mind-2-3-2b-min.jpg)
思い起こしてみてください。
きっと、あなたにも、大なり小なりそんな経験があるのではないでしょうか。
例えば、
- 子供のころ周囲から「すごいね」と言われ、そのことが得意になった
- 先生に「君ならできる」と言われ成績が上がった
といったように。
人間は期待された通りに成果を出す傾向がある
これはアメリカの教育心理学者 ロバート・ローゼンタールの実験によるもので、
ピグマリオン効果(pygmalion effect)と呼ばれています。
『言葉の力』『イメージの力』とがん
![平穏](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/lessons-learned-10-min.jpg)
![平穏](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/07/lessons-learned-10-min.jpg)
さて
「奇跡の一人になる」
この言葉、がんにも当てはまるのか。
もちろんね
がんは大変な病気、また、身体のことは、本当になかなか思うようにならない事もあります。
最終的な結果なんて誰にもわかりません。
そんなことは百も承知。
それでも、私はこの「奇跡」という『言葉の力』を信じ、突き進んでいきたいと思っています。
「こりゃ治るでしょ」「きっと奇跡の人になるね」といった 『イメージの力』 も重要ですしね。
『イメージの力』については、以下のアメブロに、私の考えを書いています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20211015/07/chiechie-777/af/80/j/o0592059215016032999.jpg)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20211015/07/chiechie-777/af/80/j/o0592059215016032999.jpg)
こちらもよかったら読んでみてください。
元気な人も、今は具合のよくない人も、
あなたの起こしたい奇跡がきっと叶うこと、心から願っています。
おわりに
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/icon800_diet-1o-min.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2021/05/icon800_diet-1o-min.jpg)
今回は、術後の病棟での入院生活について、お話ししました。
大変な手術を乗り越えて、ようやくゴール!
と思ったのもつかの間、これは始まりに過ぎませんでした。
次回は、退院後の生活についてお話しします。
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2022/02/ep14-min-300x158.jpg)
![](https://cancer-story.tokyo/wp-content/uploads/2022/02/ep14-min-300x158.jpg)
コメント