このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
【闘病記13】術後の入院生活と「奇跡の患者」という言霊
こんにちは、チコです。
前回の投稿では、術後の集中治療室での日々をお話しました。
我慢できないほどの痛み、感謝の涙、そして、生きる希望。
今回は、そんな集中治療室を退室してからの、一般病棟での生活をお話しします。
病棟での13日間の入院生活
痛みで、まさに七転八倒だった集中治療室での日々も終わりを迎え
12月9日、一般病棟へ移ることになりました。
思わず「安楽死」と言う言葉まで持ち出した ほどの、ひどい痛みの時期が過ぎたとはいえ
まだまだ痛みのコントロールに悪戦苦闘する日々が続きます。
12月21日の退院までの日々を振り返ります。
たくさんの管とわたし
手術後はたくさんの管や点滴に繋がれていました。
- 鼻の管と酸素マスク
- お腹の管2本(お腹にたまる液を排出するドレーン)
- 栄養の点滴
- 痛み止めの点滴
- 背骨からの管(痛み止め・硬膜外麻酔)
- 尿管
これらは、回復を見ながら徐々に外されていきますが
たくさんのチューブや点滴につながれ、寝返りも打ちづらい、煩わしいものでした。
「とにかく早く、菅が抜けて、楽になりたい!」と思う一方
「まだ抜かないで〜」と先生や看護師さんにお願いしたものもありました。
以下の3つです。
- 硬膜外麻酔
- 痛み止めの点滴
- 尿管
1. 硬膜外麻酔
背中からの痛み止め(局所麻酔の一つ)。
副作用や合併症を懸念し、早く外したい先生。痛みに怯え、外したくない私。
「もう外しちゃいましょ」「いあいあ、あともう1日」、こんなバトルが繰り広げられましたw。
2. 痛み止めの点滴
点滴での痛み止めも、硬膜外麻酔と同様
「そろそろ外しますかね」「いやいや、まだお願いします」
のようなやりとりが何度も繰り返されました。
今思うと、私はきっと他の人より、かなり痛みに弱いのかもしれません。
3. 尿管
トイレに行く痛みを考えると、尿管も外して欲しくないと思うものの1つでした。
とはいえ、食事が始まると、どちらにしてもトイレに行くことになるので、はずしてもらうことに。
腹水かかえ一心不乱のリハビリ
術後から10日近く経つと、激しい痛みはだいぶ治ってきました。
ところが、痛みと交代に、今度は腹部膨満感と下痢に悩まされるようになります。
まるで臨月の妊婦さんのように、膨らんだお腹を抱え、先生に相談。超音波検査をしてもらいました。
術後の腹水やガスが原因とのことで、とりあえず、利尿剤を飲んで対処することに。
それでも私にとっては、痛みがひいてきたことがとても嬉しく、より一層リハビリに励むようになりました。
1回15分、1日4〜5回、ナースステーションの周りを歩きました。
一歩足を踏み出すたび、パンパンに張ったお腹に、ズシンと響いて痛みます。そんなお腹をさすったり抱えたりしながら、歩きました。
ただただ、一心不乱に。
こうしたことも、今となっては良い思い出です。
クリスマス聖歌隊とキャンドルサービス
12月17日、病院主催の少し早めのクリスマス キャンドル・サービスがありました。
お手製のクリスマスカードをいただき
看護師さんなどによるクリスマス聖歌隊の歌に耳を傾けました。
決して派手ではないけど、あったかいクリスマスイベント。
大変な思いをしている私たちの心を、ホッと和ませる
素敵な時間をプレゼントして頂きました。
奇跡の患者
入院中、抗がん剤治療でお世話になった看護師さんと、内科の主治医が、お見舞いに来てくれました。
看護師さんと主治医のお見舞いに涙
たくさんの患者さんをかかえる内科主治医K先生と、看護師 Tさん。
お忙しい中、担当を離れた私にまで気をかけてくれる彼らの訪問は
痛みで弱った私の心を、温かく包んでくれました。
どお?
手術おつかれさま!
わー、Tさん、K先生
来てくださったんですね!
3人でしばし談笑していると、看護師のTさんがK先生に
K先生、ほらね、チコさんは奇跡の1人になるって話してたけど、
その予想は当たってましたねー
・・・奇跡かあ
わたしが「奇跡の1人になる」という会話を聞き、とても嬉しくなりました。
実際どこまで私の命が繋がれるかは、神のみぞ知る、のかもしれません。
それでも私は、
彼女が言ってくれた「奇跡」という言葉の力を信じたい、そう思うのでした。
本当の闘いはここからだった
そんな「奇跡」という言霊パワーに背中を押され、「後は回復するだけ」
そんなふうに思ったのもつかの間、この後長く苦しい時期へ突入していきます。
その片鱗は、食事の途中から起きる激しい下痢にありました。
続きは次の記事でお伝えします。
病院食コレクション
手術後、腹水によるお腹の張りや、ひどい下痢に悩まされましたが
それでも、口から物を食べられるということに、本当に嬉しさを覚えました。
食事の時間が楽しみで、写真に撮っては、姉や家族に送っています。
ここでは、いただいた病院食の一部をご紹介します。
術後流動食
術後5日目、一般病棟にうつり、はじめて食事を出していただきました。
食物を口から入れることを、かなり長く休んでいました。
私の胃や腸は、ちゃんと食物を受け入れ、消化してくれるのだろうか・・
なーんて、そんな心配は無用でしたね。
重湯やお味噌汁の美味しいこと。身体にしみわたる食物を堪能しました。
ちなみに、重湯は、お米1に対し水10~20の割合で炊いたお粥ですね。
術後5分粥食
ついに5分粥食。お米1に対し、水10の割合で炊いたもの。
まだかなり柔らかい消化の良さそうなものばかりです。
術後全粥食
ついに全粥食。お米1に対し、水5の割合で炊いたもの。
おかずも、だいぶ常食に近づいてきました。
あともう一歩!
術後常食
12月19日の夕食からついに常食になりました。
久々の白いご飯、あー、美味しいなあー
ちなみに、わたしの「流動食」から「全粥」「常食」までの経過は、すごく早かったそうです。
さすが食に貪欲なわたし・・・
最後は、そんな食いしん坊の写真です、笑(失礼いたしました)
食事にがっつく私を見るたび、先生が、「全部食べなくていいんだからねっ!」と、たしなめるのでした・・・。
この時期の学び – 言葉の力
言葉の力。
K先生、ほらね、チコさんは奇跡の1人になるって話してたけど、
その予想は当たってましたねー
「奇跡の1人になる」
会話の中でただ何気なく発せられた、看護師Tさんの言葉でした。
でも、彼女のこの言葉こそが、術後の痛みで弱っていた私の心と身体を、力強く押し上げ、
元気にしてくれました。
『言葉の力』 言葉は現実化する
言葉の力って大きいなと、あらためて思います。
よく啓発本などで、言葉は現実化するといった内容のものがあります。
怪しいと思われる方もいらっしゃると思いますが、
私はあながち間違っているとは思いません。
人生を振り返れば、私自身、「不可能だ」と思っていたことが
案外簡単に「可能」となったことがあります。
例えば、
- 長いあいだ4段さえ飛べなかった跳び箱が、突然、8段も飛べるようになった
- まったく英語ができず、「TOEICなんて受けることすら無理」と思っていた私が、1ヵ月で830点取れた
- 英語レベルの低い私が、PMPというアメリカのプロマネ試験に、英語ネイティブの同級生の誰より早く、一発合格できた
これらの例は、「全く無理」だと思っていたことが、本当に「短期間で可能」になった出来事です。
この裏にこそ、『言葉の力』がありました。
ピグマリオン効果(pygmalion effect)
思い起こしてみてください。
きっと、あなたにも、大なり小なりそんな経験があるのではないでしょうか。
例えば、
- 子供のころ周囲から「すごいね」と言われ、そのことが得意になった
- 先生に「君ならできる」と言われ成績が上がった
といったように。
人間は期待された通りに成果を出す傾向がある
これはアメリカの教育心理学者 ロバート・ローゼンタールの実験によるもので、
ピグマリオン効果(pygmalion effect)と呼ばれています。
『言葉の力』『イメージの力』とがん
さて
「奇跡の一人になる」
この言葉、がんにも当てはまるのか。
もちろんね
がんは大変な病気、また、身体のことは、本当になかなか思うようにならない事もあります。
最終的な結果なんて誰にもわかりません。
そんなことは百も承知。
それでも、私はこの「奇跡」という『言葉の力』を信じ、突き進んでいきたいと思っています。
「こりゃ治るでしょ」「きっと奇跡の人になるね」といった 『イメージの力』 も重要ですしね。
『イメージの力』については、以下のアメブロに、私の考えを書いています。
こちらもよかったら読んでみてください。
元気な人も、今は具合のよくない人も、
あなたの起こしたい奇跡がきっと叶うこと、心から願っています。
おわりに
今回は、術後の病棟での入院生活について、お話ししました。
大変な手術を乗り越えて、ようやくゴール!
と思ったのもつかの間、これは始まりに過ぎませんでした。
次回は、退院後の生活についてお話しします。
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