このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
俯瞰思考(基本編)治療をうまく進める5つの目
こんにちは、チコです。
以下の記事で、困難を乗り越えるための『俯瞰思考(ふかんしこう)』と『気づき』について、私の経験を共有しましたが
今回は、『俯瞰思考』とはどんなものかより深く見ていきます。
ご存知の方も多いと思いますが、まずは簡単に、基本のおさらいから。
この俯瞰思考を使った、病気との向き合い方(応用編)については別途書いています。
俯瞰思考 – モノを多角的視点でとらえるメリット
がんを患った私たちにとって俯瞰思考がどういう役割をもつのか
これから治療を進め、より良い人生を歩むために、この思考法がどう役立つのか見てみましょう。
俯瞰思考のメリット
俯瞰思考とは、さまざまな視点や立場から物事をとらえる思考法です。
メリットとして、「冷静な判断」を下したり、「心の平穏」を得ることが可能に。
その結果、失敗を最小限に、成果を最大限にすることが出来るようになります。
がん患者のおかれた状況
ではここで、がん告知後、私たちがどういう心理状態になってしまうか、少し考えてみましょう。
余裕がなくなる
青天の霹靂(へきれき)
まさか私が?!?
どうしたらいいの・・・?
そう、がんの告知をうけたら、皆んないっぱいいっぱい・・
当然、余裕がなくなってしまいます。
必死になる・現実逃避する
その後、人によって二つのパターンに分かれることが多いでしょう。
- 現実逃避・うつ:人間のもつ自己防衛機能によって、現実逃避したり、うつ状態におちいる
- 必死・空回り:本来の元気な自分に戻ろうと、空回りするほど「必死」になる
人間に備わった我が身を守るための自己防衛本能。
これ自体は決して悪いものではありませんが、過剰に働いてしまうと
現実逃避、うつ、空回りするほど必死、といった状態から抜け出せなくなってしまいます。
視野が狭くなる・正常な判断が難しい
そうすると、ここで・・
- 必死になる ⇒ 集中する ⇒ 視野が狭くなる
- 現実逃避・目先のことに心を奪われる ⇒ 正常な判断が難しい
視野が狭くなったり、正しく判断できない、という流れに繋がっていきます。
ひどい衝撃を受けたときの自然の反応ではありますが
こういった心の動きがあることを頭に入れておくと、対処しやすいかもしれません。
治癒へ向かうのに必要なこと
一方、がん患者にとって大切なことは何でしょうか。
一つには、悔いのない本当の自分の人生を過ごし、治癒へ近づきたい、という思いがあるでしょう。
この思いの実現に必要な、3つの心構え(覚悟)があります。
- さまざまな難局を乗り越える覚悟
- これまでの生活を見直す覚悟
- 心の平穏をつくり維持する覚悟
- 『俯瞰思考(実践・前編)がん告知~治療選択までの考えかた 』
- 『食事 』『運動 』『睡眠 』
俯瞰思考は治癒への第一歩
前章で、悔いのない本当の自分を生き、治癒へ近づくための3つの心構えをご紹介しましたが
そのための第一歩として、ぜひ意識してつかいたい基本の考え方が『俯瞰思考』になります。
(これまた前章でお話ししましたが)視野が狭くなりがちなこの難局に立っているからこそ
目の前のことだけに捕らわれず、様々な視点で物事を進める
という俯瞰思考を"意識的に"つかいたいのです。
ということで、ここから俯瞰思考の概要を見ていきましょう!
俯瞰思考の5つの目
俯瞰思考といえば、3つの目「鳥の目」「虫の目」「魚の目」を思い浮べる方が多いかもしれません。
- 鳥の目:大局的に物事をとらえる
- 虫の目:細部まで深い視点をもつ
- 魚の目:目に見えぬ流れを感じ取る
これらはよく「ビジネス上の必須スキル」とも言わますが・・・とんでもない
実は、私たちが上手く生きていく上でも、がんサバイバーになるためにも、ぜひ使いたい思考法です。
また、3つの目以外にも、第4、第5の目として「コウモリの目」「心の目」も覚えておくと便利です。
- コウモリの目:固定観念に縛られない
- 心の目:相手や自分の本心を考える
① 全体をとらえる「鳥の目」
「鳥の目」の視点
「鳥の目」は、鳥のような高い視座から、以下のように物事をとらえることです。
- 全体像を把握する
- 一旦距離をおいて見る
- 多様な視点をつかう
がん患者への「鳥の目」メリット
がんサバイバー過程のあらゆる場面で、「鳥の目」が役立ちます。ぜひ心に留めておくといいです。
例えば
- 厳しい現実に直面しても、希望をもてる
- 治療法など、正しい情報にたどり着く
といったメリットを享受できます。
具体的には
- がんの告知を受けたとき
- 病気の情報を調べるとき
- 治療法を調べるとき
など、楽観的に、建設的に、進めることができます。
一番最初につかいたいのが・・
高いところから全体をみる、この鳥の目ですね。
② 細部をみる「虫の目」
「虫の目」の視点
(「鳥の目」が広い視野でとらえるのに対し)「虫の目」は、いま見えていない細かなモノを見る目。
私たち人間の普段の目線でなく、虫のように低いところから地中まで、以下のような視点で物事をとらえます。
- 虫メガネのように拡大して見る
- いま見えていないものを深掘りして観察する
- コトを細かく分解し分析する
がん患者への「虫の目」メリット
「虫の目」の視点の深さや洞察力、論理的思考をつかうことで
- 漠然としていたものがクリアになる
- より納得して物事を進められる
といったメリットを享受できます。
具体的には
- 標準治療や代替医療を選ぶとき
- 民間医療や食事療法を選ぶとき
などに、正しい選択ができます。
何だかよく分からないなーというとき・・
拡大したり、深掘りしたり、分解したりしながら、分析していくと、だんだんクリアになっていくことを実感できるはず。
③ 流れをよむ「魚の目」
「魚の目」の視点
「魚の目」は、魚が潮流を読むように、時や流れをつかみ、以下のように物事をとらえることです。
- 見えない流れを感じとる
- これからの変化を読みとる
- これまでの変化を振り返る
がん患者への「魚の目」メリット
時や流れをつかむことは、がん患者にとって以下のようなメリットがあります。
- 診断時の相対生存率でなく、より楽観的なサバイバー生存率に着目できる
- 治療のトレンドを見て(新規治療や最先端医療に)希望を抱ける
- 自身の過去を思い出しノスタルジーに浸ることで、幸せを感じられる(科学的根拠あり)
「今この瞬間」と「時の流れ」、どっち?
ところで、マインドフルネスの流行で、「今この瞬間を生きる」という言葉をよく耳にするようになりました。
「過去や未来にとらわれず、今を生きるのじゃー」みたいな・・
たしかに、「今この瞬間の呼吸に集中」や「この瞬間の音にフォーカス」といった瞑想などは、「心の平穏」に良いことも事実です。
一方で、「いまこの瞬間」の積み重ねが、同時に、時や流れを作っていく、このことも忘れることはできません。
④ 固定観念を外す「コウモリの目」
「コウモリの目」の視点
「コウモリの目」とは、さながら洞窟の天井から逆さまに見るコウモリのように、発想を転換し物事をとらえることです。
- 逆転の発想をする
- 固定観念を外す
- 疑う→自分の頭で考える
がん患者への「コウモリの目」メリット
固定観念にとらわれない自由な発想は、がん治療過程で、より楽観的な気持ちや動きにつながるメリットがあります。
例えば、以下のようなときに「コウモリの目」が役立ちます。
- がん告知や生存率の数字に、恐怖を感じるとき
- これからの人生や仕事について考えるとき
- 初めて死生観について考えるとき
など。
⑤ 相手や自分の気持ちをくむ「心の目」
「心の目」の視点
「心の目」は、以下のような視点で物事をとらえることです。
- 心のフィルターを外し「ありのまま」を見る
- 自分の本当の心に気付く
- 相手の心を感じとる
がん患者への「心の目」メリット
がんという大病や治療を乗りきるためには、余分なエネルギーを使わず、治癒のためだけにフォーカスすることが大切です。
心のフィルターを外し、ありのままに自分の本心を見る「心の目」を使うことで
- 気持ちが軽くなる
- 治癒への道にフォーカスできる
というメリットが得られます。
また、相手の立場になって考える「心の目」を使いこなせれば
- 無駄な摩擦やエネルギーを減らす
- 周りの理解や協力を得やすくする
ことが出来ます。
あの喜劇王 チャーリー・チャップリンもつかった俯瞰テクニック
喜劇王 チャーリー・チャップリンも「人生は、視点を変えれば、悲劇にも喜劇にもなりえる」
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot. / 人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ
といった名言を残していますが、
私たちの目の前にある困難も、その捉え方により、その先の見え方がガラッと変わってきます。
ぜひ次の応用編の記事を参考に、がん治療過程での俯瞰テクニックを使ってみてください。
おわりに
本当に捉えかた次第だなー
と、私自身「がん」を治療する中であらためて感じました。
物事に対する考え方も、進め方も、さまざまな視点を使うことで大きく変わってきます。
ほんのちょっとした視点の違いで、幸せに感じたり、より良い流れに変えたりできるのであれば、使わない手はないですね。
ぜひ応用編もご覧になり参考にしてみてください。
あなたの治療がうまくいくことを心から願っています。
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