このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
膵がん患者に特徴的な「腸内細菌」- がんの予測や予後につながる菌種発見のニュース
こんにちは、チコです。
2022年5月10日の日記
今日は、「すい臓がん患者」と「口腔内細菌・腸内細菌」の関係の研究結果(2022年4月19日 東京医科大学)を読み
わたしが、気になったところを簡単に要約していきます。
わたし自身、がんと診断されてから、腸活をかなり意識するようになりました。
興味のある方はご覧になってみてください。
2019年2月 告知 → 2019年3月 抗がん剤開始 → 2019年12月 手術 → 2020年1月 術後抗がん剤開始 → 2020年8月 経過観察開始
今月 2022年5月は、告知から3年3ヶ月、術後2年5ヶ月、無治療経過観察1年9ヶ月です
東京医科大学の「膵臓がんや予後と関連する口腔内細菌・腸内細菌種を発見」のプレスリリース
まずは、以下、東京医科大学のプレスリリースからの抜粋・引用です。
研究内容と研究グループ
研究内容
膵がん患者と非がん患者の唾液と糞便中のマイクロバイオームを網羅的に解析
研究グループ
- 東京医科大学:消化器内視鏡学分野 – 永田尚義准教授
- 国立国際医療研究センター:消化器内科 小島康志医長、久田裕也医師、忌部航医師(現:小田内科院長)、糖尿病研究センター 植木浩二郎センター長、感染症制御研究部 秋山徹室長
- 欧州分子生物学研究所:西嶋傑氏、Peer Bork氏
研究のポイント
・日本人の膵臓がん(以下、膵がん)患者に特徴的な口腔内・腸内細菌種を同定し、これらががん予測にも有用であることを示しました。さらに、日本人から同定した膵がん関連腸内細菌種が、ドイツ人やスペイン人の膵がん関連菌種と一致することを発見しました
・膵がんのリスク因子である膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や慢性膵炎に関連する腸内細菌種が、膵がん関連菌種と類似していることを発見しました。
・膵がん関連腸内細菌種を用いると、膵がんとその他の病気(糖尿病、炎症性腸疾患、大腸癌)を区別できること、また膵がんで増加する菌種は胃酸分泌抑制薬 Proton-pumpinhibitor (PPI)使用で増加する菌種と類似していることが判明しました。
・腸内細菌種が膵がんの予後や抗がん剤の効果の予測に有用であることを見出しました。
・膵がん関連の腸内細菌種に感染する新規ウイルス(ファージ)を同定しました。
出典:「膵臓がんや予後と関連する口腔内細菌・腸内細菌種を発見」プレスリリース
研究の記事を要約すると
つづいて、研究内容の要約。
先述の研究のプレスリリースには、大きく以下、3つのことが書かれています。
- 膵がん患者に特徴的な口腔内細菌・腸内細菌種を発見
- 膵がん患者の抗がん剤投与後の予後に、腸内細菌種が関連することを発見
- 膵がんの特徴的な腸内細菌叢が、膵がんリスク患者群のものと類似しているのかを検証
すい臓がん患者に特徴的な口腔内細菌・腸内細菌種を発見
口腔細菌 517種と腸内細菌 1151種を同定しコントロール症例と比較。
膵がん患者に特徴的な以下の菌を発見した。
- 口腔細菌 18種
- 腸内細菌 30種
興味深いのは、これら日本で同定した膵がん関連の腸内細菌のうち
5種の菌は、ドイツ人やスペイン人とも共通している点。
【増えている4種】
※ 通常は腸内ではまれな口腔の常在菌
- Streptococcus anginosus(ストレプトコッカス・アンギノーサス)
- Streptococcus oralis (ストレプトコッカス・オラリス)
- Veillonella atypica(ベイロネラ・アティピカ)
- Veillonella parvola(ベイロネラ パルブラ)
【減っている1種】
※ 多くの病気でも減少が報告、免疫誘導と関わる菌
- Faecalibacterium prausnitzii(フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ)
この発見から
- 特定の細菌の増加や減少が、膵がん発生や進行の原因の可能性
- 今後それらの細菌を介した発がん機構の解明
が期待されるそう。
もしも、これらの細菌が、実際に発がんやがんの進行の原因であった場合
膵がんを予防または治療できる可能性につながるとのこと。
膵がん患者の抗がん剤投与後の予後に腸内細菌種が関連することを発見
また、抗がん剤投与後の予後にも、腸内細菌種が関わっているとのこと。
- 死亡リスクが低いグループに豊富に見られる菌種の多くは、酪酸や酢酸など短鎖脂肪酸を産生する菌と判明
- 死亡リスクが低いグループに豊富に見られる菌種をもつ患者は、そうでない患者と比較し、有意に抗がん剤治療後の生存率が長い
- 短鎖脂肪酸には免疫の恒常性を保つ働きがあることが分かっており、菌種の存在が宿主の免疫応答を調整することで予後良好な結果になっている可能性が示唆される
前章で出てきた「フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ」という菌種は、酪酸菌の一つですが
酪酸菌は、死亡リスクが低いグループに豊富に見られています。
そして今回、「膵がん患者の腸内には少ない」ということが分かりました。
ということは、「フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ」を増加させることが
治療を上手くすすめる鍵の一つとなる可能性がありますね。
腸内細菌とわたし
腸内細菌については、以前の記事でも何度か書いていますが
私自身、がんと診断された当初から、それまで以上に腸活に励むようになり
腸内フローラの検査から、腸活に良いとされる食品の摂取や、サプリの服用まで
いろいろ試してみました。
この研究がより一層進み、膵がんの予防や治療につながって欲しいと願います!
今回のニュースに関しては、amebloのブログ(下記)でも、さらに気になったことをお話ししています。
腸内細菌については、また書いていきたいと思います。
ではまた。
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