このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
[睡眠]眠れない ・・がんと不眠とむずむず脚症候群
こんにちは、チコです。
2019年2月に膵がんに罹ってしまったわたし。
その後、『[睡眠]わたしは睡眠不足でがんになったのか? 』でお話ししたとおり、姉に「私の睡眠不足だった生活」を指摘されます。
あなたの睡眠不足のつづいた生活がいけなかったのよ・・
えー、そうなの・・?
実際に調べてみると「睡眠不足はがんのリスクを高める」という研究データもありました。
そこでようやく、睡眠の重要性に気づいたわけです。
ところが
今度は、寝ようと思っても、うまく眠ることができません。
そう、がん患者に多いといわれる睡眠障害になってしまったのです。
今日も眠れない・・いったいどうなっているのおー
今日は、私のこの睡眠障害について共有したいと思います。
睡眠障害発症|がんと診断され不眠に
わたしが不眠症を発症したのは、がんと診断されてから。
あ、そうですか・・わたし、がんなんですね・・
母を乳がんで亡くしてから、1番恐れていた病。
そして、この病気でだけは絶対に死にたくない!と思っていた病。
それが、がんでした。
・・・・・
膵がんてなに?そもそも、すい臓て体のどの辺りで、どんな働きをしてる?
あまりにも無知だった私ですが、膵がんについて調べていくうちに、その生存率の低さに衝撃を受けます。
・・・・・・・・
5年生存率8.5%※ ??って意味わからんし・・
※ 国立がん研究センター|がんの統計2021 (ステージにより異なる。じつは私のステージの数値はもっと低いが、その狭き門をくぐり抜けるべく邁進中)
そして睡眠障害。
私の不眠症はここから始まりました。
不眠の経過|不眠→軽快→むずむず脚症候群
こうして、がんの宣告から始まったわたしの不眠は、治療を経て、一旦軽快へと向かったものの
薬の耐性により、また不眠へ逆もどり。
さらには、むずむず脚症候群 ※ までも発症し、睡眠障害がどんどん悪化。
※ じっとしていられない衝動と不快感に襲われる病。夕方から夜にかけて症状のでるケースが多い。睡眠障害とも関連。
いあいあ、もう無理・・ 夜が来るのがこわい・・・
夜が怖いと、毎晩おびえていた私ですが
なんと、本記事執筆中 2021年6月現在、わたしの睡眠障害は、ピーク時の8割がた回復しています。さあ、あと2割どうなるか・・
抗がん剤が強烈で常にうとうと
がんと診断され最初にうけた治療は、フォルフィリノックスという抗がん剤の投与でした。
2週に一度、3日間にわたり体に入れるこの薬、とにかく強烈で、副作用の倦怠感や吐き気が強く現れました。
吐き気を抑えるため、ステロイドの吐き気止めを服用していたのですが
これら薬の副作用から、昼夜を問わず、つねに眠くてダルい。ボーっとしてしまうことが多くありました。
また一日寝ちゃった・・
同時にこの頃はまだ
この膵がんという病や、急に身近になった死の存在について、わたしの中で全く整理がついておらず
目を閉じると・・
「病で苦しみたくない」
「死がこわい」
「どうしてがんになったの?」
「家族はどうなるの?」
「すべて私が悪いんだ・・・」
と、様々なことが頭をよぎるとともに
眠れなくなってしまうこともありました。
・・・・・
また、そうかと思うと、ある日は
私の中の何かが、すべてをシャットダウンし、現実逃避するかのように
ただただ、ひたすら眠り続けてしまうこともありました。
振り返れば
2019年3月から11月までつづいた最初の抗がん剤期間中、特に前半の7月くらいまでは
うとうとする時間が続いたり、眠れない夜となったり、眠り続けてしまったり、なんだか支離滅裂な時期だったように思います。
はは・・
ただ後半は、心身ともにだいぶ持ち直すことができたので良かったです。
手術後からまったく眠れなくなる
そんな私が、睡眠薬が手放せないほどまでに不眠が悪化したのは、2019年12月の手術直後からでした。
根治を目指して行われた手術。
おめでとう!
よく手術までもちこめたね!すごいっ!
手術ができるようになって良かったね!
家族や友人からの温かい励ましの声とともに手術を受け、
消化器外科分野で最も難しい手術の一つといわれる「膵頭十二指腸切除術」も
外科主治医のN先生をはじめ、術後のサポートをしてくれたM先生
集中治療室の先生方、内科主治医のK先生、看護師さん達
多くの人の助けにより
手術は、合併症もなく無事に成功!
万々歳 のはず!
ところが
・・・
そんなに簡単に、ことは運びませんでした。
そりゃそうですよね。難易度が高く、合併症発生率40~50%にものぼる大きな手術。身体への負担が、そんなに軽いわけはありません。
痛いよ、いたいよー。いたいよーーー!!!
わたしの場合、術後はとにかく痛みが激しく、夜はまったく眠れません。
先生、まったく眠れません・・・
精神腫瘍科のH先生に相談し、睡眠薬を処方してもらいました。
どうですか?昨日は眠れましたか?
眠れません・・・
昨夜はどうでした?
ダメでした・・・
・・・・・
・・・
一つ薬を試したからといって、そんなに簡単に眠れるようになるわけでもなく。
毎日毎日、なんだったら1日2回くらい、根気よく、精神腫瘍科のH先生は私の病室を訪ねて下さいました。
わたしの症状を聞き、薬の調整をして、また翌日になったら様子を見に来てくれる・・
そうやって、忙しい合間を縫っては、根気よく丁寧に私と向き合ってくれたH先生のおかげで、
退院の日がくるまでに、私にあった睡眠薬を何とかみつけることができたわけです。
薬で不眠解消、夜の癒しの時間を手に
2019年の年末に退院してからも、睡眠薬の服用は続きました。
薬の依存性の懸念から服用中止も検討したのですが、退院後もひどい腹痛や下痢がつづいたため
「いまは減薬で悪戦苦闘するより、しっかり睡眠をとり、術後の回復に重点をおこう」という話になりました。
いまは体力回復のために、睡眠をとることが1番大切です。
焦らずゆっくりやっていきましょう!
さて
2020年は、世界中の人々にとって大変な苦難の年となりましたが、
わたしにとっても大変な年でした。
2019年末に手術をし、2020年1月から術後化学療法の抗がん剤。
このため、この年前半は、激しい腹痛と下痢、全身痛、ベッドから起き上がれない倦怠感、唇がくっついて離れないほどひどい粘膜のただれ・・
少し外へ出て日光にあたったほうが、体調が悪いのを忘れるかもしれないよ
うん、そうだね。きっと、外の空気を吸って日光にあたれば、少しは気分が紛れるね
なんとか気分転換をはかるため、すこし外へ出て散歩でもと・・思っていた矢先の、コロナ禍による外出制限。
当時は無我夢中でしたが、今考えれば、気が狂いそうな日々でした。
でも、とりあえず夜になれば(睡眠薬のサポートをかりてるとはいえ)しっかり眠ることができた
なにもかも忘れることができた
このことが私にとって、何よりの救いとなりました。
睡眠によって癒され、心が折れることなく、身体もなんとか持ちこたえ
こうやって今の回復状態までもって来ることができたのでした。
睡眠薬が効かなくなった
2020年の夏に術後の補助化学療法がおわり、無事に治療完了。体力回復に努めた2020年。
そんな2020年も終わりを迎えようとしていたころ
わたしの唯一の癒しのとき「睡眠」に暗雲が垂れ込めてきました。
また、眠れなくなってきた・・・薬のんでるのにどうして?
それまで、薬を飲めば10分とかからず眠れていたのに、気が付けば、薬を飲んでも1時間も2時間も眠れなくなってきていたのです。
なんで?
理由としては、2つ考えられました。
- 薬への耐性
- ストレスの蓄積
一つには、薬剤耐性。睡眠薬など薬の種類によっては、長く飲むことで薬への耐性ができ、効かなくなるものもあるそうです。
もう一つは、術後の抗がん剤治療が終了してから半年近く経つにも関わらず、いつまでたっても体調が思うように回復しない焦りからのストレスです。
実は
2020年の11月~12月にかけては、また麻薬系の鎮痛剤が必要なほどの腹痛に見舞われるようになりました。
そして、思うようにならない私の体や自分自身に、だんだんと苛立ちを覚えていった頃だったのです。
あーもう!
なんで、毎回ご飯を食べるとお腹がゴロゴロ具合が悪くなるわけ?!
あげくに夜は眠れなくなってるし!
・・・・・
もー、もー、もーう!
どうして、何もかも上手くいかないのよおーーーっ!
むずむず脚症候群を発症
わたし、いったいどうなっちゃってるの・・・?
頑張っているのに
自分では精一杯がんばっているつもりなのに
何もかも上手くいかない焦りと苛立ち・・・
唯一こころの救いだった睡眠の時間も、いまは眠れないつらい時間に変わり
どうしたものかなあ、と思って過ごしていたある夜。
今度は、眠れないだけでなく、身体を動かさずにはいられない衝動に駆られる、むずむず脚症候群になってしまいました。
身体が勝手に痙攣する
体の深部に電流が走るようで、じっとしていられない
なにこの気持ち悪い感覚!?・・・眠れないよー、早く夜が終わってほしいーーー
薬のやめ時|減薬と生活改善で不眠を克服?
むずむず脚症候群を経験した人なら分かると思います。
ものすごく不快でつらい症状なのですよね。
でも、実際に経験してみないと、言葉だけでは伝わりにくい病気でもあります。
むずむず脚症候群をきっかけに身体の声に耳をすませてみた
とりあえず、かかりつけの訪問医療のF先生に相談し、むずむず脚症候群の薬を処方してもらいました。
ところがこの時、なぜか
わたしの身体が「これでは根本的な解決にならない」と言っているような気がしました。
そして
「身体の声が聞こえてきたときは、その声に従うが吉」
この病を通じて、そう学んだ私は
なんと大胆にも、服用中だった3種類の睡眠薬の一つを完全に止めてしまったのです。
これには、さすがの訪問医療のF先生も驚いてらっしゃいました。
えー、そんなに急に薬やめちゃったんですか?!
体調は大丈夫ですか?
【注意】 本来、わたしのように睡眠薬を急に止めてしまうことはお勧めしません。
睡眠薬を減薬・断薬する際に、禁断症状がでる場合も。安全に行うには、医師と相談しながら、無理せずに、が大切です。
ちなみに、今回は “たまたま” 睡眠薬の一つをやめてみたことで、むずむず脚症候群の改善につながりましたが、
あらためて調べてみると、今回の断薬も、まったく間違っていたわけではありませんでした。
というのも、むずむず脚症候群の原因の一つとして「薬の副作用」があり、私が服用を止めたクエチアピンの副作用でもあったからです。
以下がむずむず脚症候群の原因と考えられているものです。
- 鉄欠乏性貧血
- 妊娠
- 糖尿病
- 関節リウマチ
- 慢性腎不全
- パーキンソン病
- 薬の副作用
etc..
私の場合、鉄分・フェリチン不足の貧血が原因の一つであったため、一時的に鉄剤も服用しました。
減薬が功を奏した?不眠が改善へ向かう
さて、睡眠薬を大胆に減らし、偶然にもむずむず脚症候群が快方へと転じていったのは良かったのですが
不眠についてはどうだったのでしょう?
さらに悪化に向かったのか。
これが驚いたことに、なんと、不眠も軽快していったのです。
術後の激しい痛みや下痢などの苦痛から、わたしを癒してくれた睡眠薬でしたが
むずむず脚症候群が、「そろそろ、この睡眠薬から卒業してもいい頃だよ」と、教えてくれたような気がしました。
薬以外に不眠解消に役立った生活習慣見直しとサプリ
これを契機に、クエチアピン以外の薬の減薬も進めています。
本記事を執筆している2021年6月現在は、ロゼレムというお薬だけで、ほぼ寝たい時間に眠れるようになっています。
感覚的には、一番ひどい不眠状態の8割くらいは回復した感じがします。
実は、減薬する際、薬の代わりとしてやったことがありました。
私にとって良かったことを3つ、参考までにあげておきます。
- Spotifyで寝る前に波の音を聴きリラックス
- 睡眠サプリ(ライオン「グッスミン酵母のちから」)で深い睡眠サポート
- Apple Watchの睡眠計測アプリAutoSleepで眠りへのモチベーションアップ
おわりに
質の良い睡眠は、心身の健康に本当になくてはならないものなのだと、
この病になって、あらためて知りました。
一日一日を丁寧に過ごすことを心がけるとともに
「毎日を穏やかに過ごせること」「夜安心して眠ることのできる家や環境があること」に、日々感謝をしながら生きています。
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