このブログでは、すい臓がんを完治するまでの、知識と経験を共有していきます
がん治療中の食事の基本(私の経験3)
こんにちは、チコです。
がんと診断されて以降、食事に対して、様々な心の動きがありました。
当初は、がんを克服したい強い思いから、ドラスティックな食事療法を検討したことも。
しかし、たくさん調べ考えていく過程で、「私なりの、私にあった食事があるはず」と考えるようになり
治療中の食事の基本として、3つの指針を打ち立てました。
今日は、こちらについてご紹介します。
- 『膵がん闘病記シリーズ 』
- 『がんになって変わった食事への気持ち、食習慣(私の経験1) 』
- 『「がんを消す」食事療法?盲信の危険性と、食事の真の意味(私の経験2) 』
- がん治療中の食事の基本(私の経験3)【本記事】
- 『がんを克服するため意識した食べ物(私の経験4) 』
- 『がんは食事療法だけで治るほど単純じゃない(私の経験5) 』
結局、どんな食事ならがんを乗り越えられる?
がん患者になってから、ずいぶんと食に対する気持ちの変化がありました。
※ 詳細については、以下の「関連記事」をご覧ください。
がんを克服したいという強い気持ちを抱き、食事でがんが治ったという人の体験談に惹かれ
しかし一方で、偏った食事や厳しい食事制限の危険性についても、思いを巡らせる・・・
とはいえ・・
やっぱり
がんを治したい!
抗がん剤に負けたくない!がんを克服したい!
こんな強い"藁にもすがりたい"という感情もまた、一方であるわけです。
そして
たくさん、たくさん考えた、私なりの結論がこれです。
- 「ストレスのかからない範囲で楽しくできる」食事療法
- 「たとえ失敗しても後悔はしない」食事療法
いまの体調や、この先 治療を進める中での体調の変化も考慮に入れながら
治療中の食事の基本的な考え方を整理していきました。
私のたどり着いた治療中の食事の基本
私が、治療中に行おうと決めた食事の方針は、以下の3つです。
- バランス:特別な食事制限や偏った食事はしない
- 身体の声:その時々の身体の声に耳を傾け、できるだけ体が欲しているものをとる
- 体力維持:抗がん剤に負けない、体力を落とさない、これが食事の基本であり最重要課題
バランス:特別な食事制限や偏った食事はしない
まず、抗がん剤治療で闘うと決めていた私は、副作用で弱ってしまうことも予測されました。
そう考えると、極端な食事制限は体力的に難しくなる可能性があります。
また、どんな食べ物にも必ず「良い側面」と「悪い側面」があります。
食べ物の「良い側面」と「悪い側面」の一例
- 豆腐:脳卒中、心筋梗塞、一部のがん発症リスクを下げる効果あり。一方で、すい臓がんのリスクが高まるという研究報告がある
- 人参:ゲルソン療法のように人参ジュースでがんの発生率が下がるとするものもある。一方で、人参に含まれるβカロテンは肺がんのリスクを上げるという研究報告がある
- 魚:タンパク質、オメガ3脂肪酸、ビタミンDやB2など栄養素が豊富で健康によいとされる。一方で、食べ過ぎは、有害物質の水銀摂取が懸念されている
これらのことから、リスクを分散させるためにも
何か1つに偏るのではなく、できるだけたくさんの食品からバランスよく栄養をとれる食事
これが、いまの私には合っているという結論になりました。
今のわたしには、さまざまな食材を使ったバランスよい食事が必要
身体の声:その時々の体調で、できるだけ体が欲しているものをとる
何だか謎の自信ですが・・
・・
人間の身体は本人が思っている以上に、身体にとって良いもの悪いものを、しっかりサインとして送ってくれている
と感じました。
たとえば
あ、フレッシュな野菜や果物を食べたいな
温かいスープを飲みたい気分
力のつくお肉や魚にかぶりつきたい
というように
身体が特定の食物を欲している感覚を経験したこと、ありませんか。
こんな風に、体の声に耳を澄ませば、「今はこれを食べた方が良いよ」と身体の奥から声が届くように感じるかと思います。
身体の声に、しっかりと、耳を傾けてみよう
体力維持:抗がん剤に負けない、体力を落とさない、これが基本であり最重要課題
以下2つの事は、私自身のがん治療を通して特に「重要」だと強く感じたことです。
- 抗がん剤に負けない
- 体力を落とさない
抗がん剤に負けない
たとえ良く効く抗がん剤だったとしても、肝心の体力が薬に負けてしまっては
以下のような、もったいない結果に終わってしまう可能性もあります。
- 衰弱しては、効果のある抗がん剤だとしても、続けられない
- 体力や免疫力の低下により、効くはずの抗がん剤が効かない
体力を落とさない
また、健康な時と違い、一度体力が落ちてしまうと、もとに戻すのがとても困難だと感じる場合もあります。
そうなると1番辛いのは本人。動くことさえ、トイレに行くことさえ、つらいのです。
治療の最初の段階で、「体力維持」の重要性に気付けた私はラッキーでした。
しかし残念ながら、どんなに頑張って気を付けていても、体力低下の負のスパイラルに陥ってしまうことはありました。
治療中に起きてしまう衰弱のくるしさを経験した私は
やはり食事の最重要課題は「体力落とさないこと」だと、改めて感じるのでした。
一般的な「健康に良い」ではなく、「いまの私の体力維持に必要なものは?」を考えながら食事をしよう
がんを克服するため意識する食べ物
ここまでで、治療中の基本的な食事の指針を固めた私でしたが
ここから、具体的にどんな食事を意識していこうか、考えていきました。
食事で意識した5つのこと
そして、以下の5つを意識しながら、食事を楽しむことにしました。
- 栄養バランスを意識
- ホールフードを意識
- フィトケミカルを意識
- 免疫力の強化を意識
- 身体に良い油を意識
詳しくは、以下の記事でご紹介します。
病院の栄養士さんのアドバイスも頼りに
ここまでお話ししたような食に関しての気付きの過程で、病院の栄養士さんからの助言もとても参考になりました。
以下3つの観点から、あらめて、専門家からのアドバイスは大切だと感じています。
- 病気や病状に合った食事がわかる
- 体調に合わせた食事の工夫がわかる
- 基本をおさえ"デタラメ"にならないアレンジを知る
簡単にご紹介します。
1. 病気や病状に合った食事がわかる
病気のある臓器、治療の内容や経過により、食べて良いもの、避けるべきもの、が異なります。
例えば、膵がんで消化吸収が弱っている状態の場合、「消化吸収の良いものを」とアドバイスされるでしょうし
腎臓の病気であれば「タンパク質を控えめに」と言うアドバイスになるのかもしれません。
2. 体調に合わせた食事の工夫がわかる
体調に合わせた食べ方の工夫も教えてくれます。
例えば、食欲がない時は「小分けにして少しずつ、食べられる時に食べられる分だけ」だとか
術後、栄養の吸収が悪いときは「最初にバナナから食べるといいですよ」とか
血糖値の上昇が気になるときは「野菜など食物繊維から先に」
などのように。
また、頭では栄養について理解したつもりでも、体調のすぐれない時は、何を食べたらいいのか途方に暮れてしまうことも。
こんな時も、病院の栄養士さんはとても頼りになります。
3. 基本をおさえ"デタラメ"にならないアレンジを知る
自身の体の声、体の奥底から発せられる小さなメッセージにまで耳を傾けられるのは、"自分"だけです。
最終的には、自分自身の身体が欲しているものを欲している分だけ食べられるよう、調整・アレンジできればベスト。
とはいえ、もし、病気を考慮した食事の基本をおさえずに、ただただアレンジだけをしていては?
それはただのデタラメになってしまいます。
ですから、まずは、病院の先生や栄養士さんに相談し、基本を押さえる。その上で、自分の今の体調にあわせアレンジした生活が送れると良いかなと思います。
私自身なんども、病院の栄養士さんのもとを訪れては、相談をさせていただきました。
おわりに
今回は、私なりに考えた治療中の食事の基本や、学んだことをご紹介してきました。
がんを克服したいという気持ちはもちろん
誰しも、心身ともに健康な状態を長く維持したいという思いを持っています。
そのために良いといわれる食事療法は、巷にたくさん溢れていますが、
結局のところ、自身の食に対する価値観や、その時々の体調に合わせ、柔軟にアレンジしていくのが良いのではないか
そんなふうに思います。
- 『膵がん闘病記シリーズ 』
- 『がんになって変わった食事への気持ち、食習慣(私の経験1) 』
- 『「がんを消す」食事療法?盲信の危険性と、食事の真の意味(私の経験2) 』
- がん治療中の食事の基本(私の経験3)【本記事】
- 『がんを克服するため意識した食べ物(私の経験4) 』
- 『がんは食事療法だけで治るほど単純じゃない(私の経験5) 』
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